目の観音様と桜大仏―壷阪寺の歴史・見どころ

目の観音様と桜大仏 壷阪寺の歴史・見どころ

「目の観音様」として古くから親しまれ、人形浄瑠璃などの題材にもされてきた壷阪寺。
桜の名所である吉野山、万葉集にもたびたび登場する大和三山に囲まれた絶好のロケーションで、春の「桜大仏」や三重塔は特に美しいことで知られています。

豊臣秀長の家臣でこのあたりを治めていた本多俊政が再興したことでも有名なお寺です。

本記事では、壷阪寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。

壷阪寺の歴史

まずは壷阪寺の歴史について軽く触れていきたいと思います。

壷阪寺は、8世紀初頭に元興寺の僧・弁基上人によって創建されました。
平安時代には長谷寺とともに「定額寺(官寺に準ずる扱いを受けた私寺のこと)」とされ、平安時代の日記文学を代表する女流作家・清少納言が書いた「枕草子」にも「寺は壷坂、笠置、法輪」という記述があるほど。
時の権力者である藤原道長も参詣したそうです。

やがて戦乱の時代になると徐々に衰退していきますが、豊臣秀長の家臣・本多俊政らによって再興されました。

目の観音様

壷阪寺は、歌舞伎や人形浄瑠璃の題材としても取り上げられ、その名を広く知られるようになりました。
ここでは、その「雛菊」というお話についてご紹介していきたいと思います。

「雛菊」は、琴や三味線を教えて生活している盲目の沢市という男と彼を内職しながら支えるお里の物語。

貧しくも仲睦まじく暮らしていたふたりでしたが、ある日朝方になると寝床を抜け出していることに気づき、浮気なのではないかと疑い始めます。

しかし、実際は夫の眼病平癒のために毎日壺阪寺へ朝詣でをしていたというお里。
健気な妻を疑ってしまったことを恥じ入る沢市でしたが、同時に自分が盲目であるがゆえにお里に不自由をさせていることに思い悩むようになります。

いっそ自分が亡くなった方が妻のためだと思い詰めた沢市は川に身投げしてしまいました。
胸騒ぎがして駆け付けたお里も夫の後を追って川へ飛び込んでしまいます。

このまま不幸な最期になるのかと思いきや、お里の篤い信仰心から観音様が奇跡を起こし、ふたりは無事に生還。
沢市の目も見えるようになったという話です。

このストーリーから、壷阪寺は「目の観音様」として広く人々に知られるようになりました。

世界最大級の石仏

福祉活動に力を入れてきたことでも知られる壷阪寺。
境内ではそれらをきっかけにインドの職人も参加して造られた巨大な石仏がいくつかあり、その迫力ある姿をひと目見ようと国内外から多くの観光客が訪れるそうです。

特に大観音石像は世界最大級の大きさを誇る石仏で、「桜大仏」の呼称で親しまれています。

インドのハンセン病救済事業をきっかけにインドの石工たちの手によって作られ、昭和58年に開眼法要が営まれて以来、壷阪寺の顔として桜に取り囲まれる幻想的な様子が特に広く知られています。

壷阪寺の見どころ

ではさいごに、壷阪寺の見どころについてご紹介していきたいと思います。

礼堂

室町時代に再建され、重要文化財にも指定されている礼堂。
江戸時代や昭和の時代に大規模な改修が行われましたが、東大寺法華堂礼堂や般若寺楼門に見られるような室町時代中期の組物の手法が残る貴重な建築物です。

三重塔

15世紀末期に創建された三重塔。
長い歴史が感じられる佇まいで、境内や境内を取り囲む山々の自然とも見事に調和した壷阪寺のシンボルです。

こちらも重要文化財に指定されています。

仁王門

13世紀前半、貞慶解脱上人らによって建立されたと伝わる仁王門。

室町時代、安土桃山と大修理が行われ、昭和の時代には解体修理もなされましたが、平成10年の台風により半壊。
防災上の観点から現在の場所へと移されました。

大講堂

鎌倉時代の作である弘法大師像を祀る大講堂。
毎月18日には観音様のご縁日の法話が行われます。

多宝堂

平安時代の作の大日如来を祀る多法堂。
二重塔に見えますが、実際は宝塔の周りに裳階が付いたものです。

灌頂堂

御本尊であり、「目の観音様」として親しまれている十一面観音菩薩が安置されている灌頂堂。
平安時代の創建ですが、火災などに度々見舞われ、現在の建物は平成に入ってから再建されたものです。

壷阪寺の再興に力を尽くした豊臣秀長の家臣であり高取城主であった本田俊政とその一族を顕彰しており、秀長と俊政の像も安置されています。

めがね供養観音

全国的にも珍しい眼鏡を供養するための観音像。
壷阪寺では「目の観音様」として、視力を補う眼鏡やコンタクトレズの供養も行われているそうです。

まとめ

壷阪寺の歴史や見どころについてご紹介しました。

「目の観音様」として古くから親しまれてきた壷阪寺。
巨大な石仏は迫力がありながら、周囲の自然とうまく調和しています。
大和三山と吉野山を一望できるロケーションも魅力的です。

大河ドラマで注目を集めている豊臣秀長ゆかりの地でもあるので、ぜひ参拝に訪れてください。

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