人気観光地である熱海を代表するパワースポットであり、多くの観光客が訪れる来宮神社。
樹齢2100年以上とも言われている大楠があり、周りをまわると延命や願い事にご利益があるとされています。
整備された境内やユニークなお守りも人気。
熱海駅からも近く、アクセスしやすいのも魅力的です。
本記事では、来宮神社の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
来宮神社のはじまり
来宮神社のはじまりは、1300年前まで遡ります。
熱海湾の漁夫が網を下ろしたところ、御木像と思われるものが入っていました。
このとき、童子が現れて「我こそは五十猛命である。この里に波の音の聞こえない七本の楠の洞があるからそこに私を祀りなさい。しからば村人は勿論いり来るものも守護しよう。」と漁夫へ告げたそうです。
これを漁夫から聞いた村人たちは熱海の西山にあたるこの地を探し当て、お社を築いたのが来宮神社のはじまりです。
御祭神として、日本武尊(やまとたけるのみこと)、五十猛命(いたけるのみこと)、大己貴命(おおなもちのみこと。大国主命、大黒様とも)が祀られています。
それぞれ武勇と決断、樹木と自然保護、商売繁盛や身体強健にご利益のある神様です。
例大祭「こがし祭」
来宮神社で毎年7月に行われる例大祭。
「こがし祭」とも呼ばれており、村人がこの地を探し当てたことを偲んで開催されています。
村人たちが御神前に麦こがし、ゆり根、ところ、橙をお供えしたと言われており、お祭りでもお供えされているそうです。
熱海の氏子が海岸へ出て儀式を行うほか、山車のコンクールや神輿の渡御などが行われています。
また、毎年2月3日に行われる節分祭の豆まきには、毎年芸能人などの著名人が参加し、テレビなどのメディアで大々的に取り上げられるなど、大いに盛り上がりを見せます。
来宮神社の見どころ
ではさいごに、来宮神社の見どころについてご紹介していきたいと思います。
大楠
樹齢2100年以上とも言われている楠の大樹。
この大楠の周りをひとまわりすると1年寿命が延びる、思っていることを誰にも言わずにひとまわりすると願い事がまとまる、などの逸話が伝えられてきました。
また、来宮神社は、江戸時代末期まで「木宮明神」と表記されており、木への信仰が根底にあったと考えられます。
静岡県内にはそうした「キノミヤ神社」と呼ばれる社がいくつかあるそうです。
来宮神社でお祀りしている五十猛命は朝鮮半島から樹木の種子を持ち帰り広めた神様として知られています。
樹木や自然保護を司る神様ですので、大楠をお祀りする来宮神社は日本に古来から伝わる自然への信仰にも深く関わっているとも言えます。
楠への小径
来宮神社のシンボルともいえる大楠へと続く道。
近年整備された注目スポットで、豊かな自然に囲まれた癒しスポットとして人気を集めています。
本殿
朱色の柱が鮮やかな本殿。
さまざまな行事が行われている神社の中心です。
本殿の周囲には芸能や財運を司る弁財天がお祀りされているお社や、古来より神々が宿っていたとされる磐座である弁天岩などがあるので、あわせてお参りしてみてください。
参集殿
授与所や広間、などが併設された施設。
授与所で取り扱っているお守りのなかには「むし除守」や「結び守」、「酒難除守」などユニークなものもあるので、楽しみながら選んでみてください。
また、施設内にはおしゃれなカフェも併設されており、ゆったりとした時間を過ごせます。
第二大楠
落雷によって中身がほとんど失われてしまった第二大楠。
幹の裏側などに触れると未だに黒く汚れてしまうのだそうです。
これほどのダメージを受けているにも関わらず、青々とした葉を茂らせている大楠からは力強い生命力が感じられます。
神楽殿
神事の際に奉納される歌舞が奉納される神楽殿。
神前結婚式や祈祷の際に神札授与所や神酒拝載所として利用されることもあります。
天井と床には八角形のモチーフがはめ込まれ、五行説を表す五色が置かれたモダンなデザインになっています。
稲荷神社
京都にある伏見稲荷大社から勧請されたお社。
五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、諸願成就などにご利益があると言われています。
オープンカフェ
来宮神社の境内には、いくつかオープンカフェや茶寮が設置されています。
どれもモダンでおしゃれなデザインで、地酒やスイーツなどを楽しむことができます。
参拝の際にはぜひ足を運んでみてください。
まとめ
来宮神社の歴史や見どころについてご紹介しました。
歴史ある大楠と、整備され観光しやすい境内が印象的な来宮神社。
SNSを中心に話題を呼んだ神社でもあり、若い世代の観光客からも人気があります。
熱海のなかでも特に歴史のある神社で、国内外問わず多くの観光客が訪れます。
ぜひ長い時間を歩んできた巨木に触れ、その神秘を感じ取ってみてください。