修学旅行などでも定番の奈良公園。
国内でも有数の観光地で、近年は外国人観光客も多く訪れます。
なんとなく鹿や大仏のイメージはあっても、一つひとつのお寺や建物についてはあまりピンとこない、貴重な建造物や宝物がたくさんありすぎてどこに注目すれば良いのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初めての奈良でぜひ注目したい、奈良公園の国宝建築物についてご紹介していきたいと思います。
奈良公園とは?
まずは奈良公園とはどういう場所なのかについて軽くご説明していきたいと思います。
世界遺産に登録されている春日大社、奈良公園、興福寺、東大寺の広い境内、春日大社の神山として1000年以上もの間手つかずにされていた自然が残る春日山原始林、見晴らしの良い若草山、奈良の仏教美術を中心にさまざまな文化財を収蔵・展示している奈良国立博物館などを含む東西約4キロメートル、南北約2キロメートルにも及ぶ広大な敷地を持つ奈良公園。
奈良市街地の東側一帯を占めており、その広さは東京ドーム108個分にも及びます。
奈良公園のマスコットキャラクター的存在で観光客からも愛される鹿は園内に約1300頭おり、実は飼われているわけではなく大切に保護されてきた野生動物。
青々とした芝生に覆われ樹齢1000年の松の木が林立する園内をゆったりと歩き回り人懐っこく物怖じしない鹿たちが大半で、園内で販売されている鹿せんべいを食べさせてあげるのが大人から子どもまで定番になっています。
四季の移ろいが感じられる自然豊かな公園で、ゆったりとした時間が流れる奈良を代表する観光スポットです。
ここからは、各神社仏閣に国宝に指定されている建築物について見ていきたいと思います。
春日大社
皇族や摂関家の藤原氏との関連も深く、古来よりさまざまな宝物が受け継がれてきた春日大社。
境内の奥にある春日山原始林は春日大神の神域とされ、平安時代に出された狩猟伐木禁止の太政官府以降、手つかずのままで自然が保たれてきた貴重な場所です。
神様が常陸国から御蓋山(春日山)へ訪れる際に白鹿に乗って来たという伝説があることから、奈良公園の鹿は神様の御使いとして現在も大切に保護されています。
春日大社の建築物のなかで国宝に指定されているのは、江戸時代に建てられた本殿。
一般の参拝客は幣殿や中門より先へ入ることはできませんが、その幣殿や中門も江戸時代に建てられたもので、重要文化財に指定されています。
春日大社が所有する国宝354点・重要文化財2526点を中心に貴重な文化財を収蔵・展示している国宝殿にもあわせて訪れてみてください。
興福寺
藤原氏と深い関わりがある興福寺。
かつては「山階寺(やましなでら)」や「厩坂寺(うまやさかでら)」とも呼ばれていましたが、平城遷都にともなって藤原不比等により現在の場所へと移され、「興福寺」と呼ばれるようになりました。
興福寺の境内には4つの国宝の建築物があります。
藤原不比等の1周忌に合わせて創建され鎌倉時代に再建された北円堂は、国内に現存する最も美しい八角円堂とも言われており、堂内には御本尊の弥勒如来坐像が安置されているお堂です。
鎌倉時代に再建され、北円堂とともに興福寺最古の建築物とされている三重塔は平安時代の建築様式を色濃く残しており、優雅な佇まいと内部の壁や扉に描かれた絵も美しく、毎年7月7日に行われる弁財天供の際にのみ開帳されます。
天平時代に創建され、室町時代に再建された五重塔は仏舎利を納める墓標で、日本で2番目に高い塔。
奈良時代の建築様式を保ちつつ中世的な要素も取り入れた建物で、奈良公園のシンボル的存在です。
奈良時代に元正太上天皇の病気平癒を祈願して創建され、室町時代に再建された東金堂は寄棟造の建物は創建当初の建築様式を踏襲しており、堂内には薬師如来坐像などの仏像が安置されています。
東大寺
聖武天皇の皇太子・基親王の菩提を追修するために創建された山房(後の金鍾山寺)、それが国分寺・国分尼寺建立の詔を機に昇格した大和国国分寺(金光明寺)を前身とする東大寺。
東大寺の境内には8つの国宝建築物があり、そのうち法華堂の正堂、転害門、本坊経庫の3つは奈良時代の建物です。
有名な大仏殿は奈良時代に創建され、現在の建物は江戸時代に再建されました。
高さ25メートルほどもある南大門は国内最大級の重層門で、再建は鎌倉時代。
左右に控える金剛力士像も相まって迫力があります。
日本三名鐘のひとつに数えられる鐘楼も同じく鎌倉時代の復興の際に建てられました。
僧正像が安置されている開山堂も同じくらいの時代の建物。
旧暦2月に行われる修二会(しゅにえ)からその名が付いた二月堂は江戸時代に再建されたもので、創建当初よりも規模が拡大しているそうです。
その他
奈良公園内にある正倉院正倉も、国宝に指定されている建築物のひとつ。
奈良時代に建てられた校倉造の宝物庫で、現在は宮内庁の管轄になっています。
外構は平日に一般公開されていますのでぜひ足を運んでみてください。
なお、中に保管されていた宝物の一部は秋に奈良国立博物館で開催される「正倉院展」で見ることができます。
まとめ
奈良公園の国宝建築物についてご紹介しました。
奈良公園には建築物だけでなく、仏教美術を中心に数々の国宝があります。
国宝だけでなく重要文化財に指定されているものやその時代や文化を彩るさまざまな宝物が一堂に会しており、いつ訪れても新しい発見にあふれている場所です。
鹿や大仏のイメージが強い奈良公園ですが、非常にたくさんの見どころがある場所ですので、ぜひ何度も訪れて奈良の魅力を見つけてみてください。