「神田明神」、「明神さま」の名で親しまれている神田神社。
東京の108町会の氏神様として知られる江戸総鎮守です。
近年はアニメの舞台としても登場しており、ヲタクの聖地として知られる観光地・秋葉原に近いこともあって、外国人観光客からも人気を集めています。
また、神田明神は江戸三大祭である「神田祭」が開催されていることでも知られており、時代衣装をまとった人々が都心を練り歩く姿は圧巻です。
本記事では、神田明神の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
神田明神へのアクセス
まずは、神田明神へのアクセスについて見ていきましょう。
神田明神への最寄り駅は全部で6つです。
JR中央線・総武線の御茶ノ水駅、東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅、千代田線新御茶ノ水駅、銀座線末広駅からそれぞれ徒歩5分、JR京浜東北線・山手線秋葉原駅、東京メトロ日比谷線からそれぞれ徒歩7分と、かなりの好アクセス。
秋葉原から徒歩で行くことができるほか、東京駅から約10分、新宿駅から約15分で到着します。
神田明神のはじまり
神田明神は1300年ほど前、出雲氏族の真神田臣(まかんだおみ)によって創建されたと言われています。
創建当初は現在の将門塚付近にありました。
平将門と言えば、怨霊として名高い存在。
創建度に将門塚の近くで天変地異が頻発し、人々が将門の祟りであると恐れたため時宗の遊行僧・真教上人が御霊を治め、14世紀になると神田明神へ奉祀しました。
戦国時代に入ると、太田道灌、北条氏綱などの名だたる武将たちが深く信仰したそうです。
関ヶ原の戦いの際には、徳川家康が神田明神で戦勝祈願を行います。
見事関ヶ原の戦いで勝利をおさめ、それ以降神田明神は徳川将軍家の厚い庇護を受けるようになります。
江戸総鎮守としての神田明神
江戸幕府が開かれると、平将門の首塚があった創建の場所から、江戸城の表鬼門守護の場所に当たる現在の場所へ移動します。
社殿を造営するなど、江戸幕府は神田明神を手厚く保護し、「神田祭」にも将軍が上覧しました。
神田明神は、将軍家だけでなく、江戸に住む庶民の人々にも愛されます。
「江戸総鎮守」として定着した神田明神は、明治時代に入ってからも人々に親しまれ、東京の守り神として日本の首都を見守ってきました。
関東大震災により大きな被害を受けた神田明神ですが、当時は珍しい鉄筋コンクリート製の社殿を採用したことで、空襲の際には少しの損傷で済み、平成に入ると大改修が行われました。
現在はアニメなどのサブカルチャーの影響もあり、世界中から多くの参拝客が訪れます。
神田祭について
ではここで、江戸三大祭のひとつである神田祭について見ていきたいと思います。
神田祭は、2年に1度、神田・日本橋エリアを中心に行われる神田明神の例大祭。
徳川将軍が上覧したことから、「天下祭」とも呼ばれています。
3基の鳳輦(ほうれん)や神輿を中心に、平安時代の装束を身にまとった氏子さんたちが神田明神に向かって都心を練り歩きます。
ポップなデザインの曳き物や、平成になってから登場した坂東武者行など、見ているだけでも楽しい要素が盛りだくさん。
朝から晩まで神輿が神田神宮へと宮入りし、境内は人であふれ返ります。
特に道中の電気街を埋め尽くす時代衣装姿の人々の様子は圧巻で、サブカルチャーから重厚な歴史を持つ伝統文化まで、さまざまな側面を持つ日本の文化の層の厚さを垣間見ることができます。
次は2027年(令和9年)5月に開催されるとのことなので、ぜひお祭りのシーズンを狙って訪れてみてください。
お祭りがある日はホテルもすぐに埋まってしまうので、できるだけ早く予定を立てて、余裕をもって予約しておきましょう。
神田明神の見どころ
ではさいごに、神田明神の見どころについてご紹介していきたいと思います。
随神門
境内の入り口にある朱塗りの絢爛豪華な門。
昭和天皇即位50年を記念して造られたもので、四神(朱雀・白虎・青龍・玄武)や神話「因幡の白兎」など、おめでたいモチーフが彫刻されています。
本殿
幣殿・拝殿・神饌所・宝庫が重なり合うような少し珍しい構造になっている本殿。
先ほども触れたように関東大震災の後に再建された当時としては画期的な鉄筋コンクリート製の社殿で、空襲の戦火も潜り抜けました。
江戸幕府が開かれてから400年の節目に当たる2003年に、国の有形文化財に指定されています。
資料館
神田明神や神田祭に関する資料が展示されている資料館。
江戸時代の錦絵や神宝のほか、アニメとのコラボ資料なども展示されています。
まとめ
神田明神の歴史や見どころについてご紹介しました。
古くから武将たちなどから手厚く保護され、江戸時代に入ってからは徳川将軍家の庇護のもと江戸の庶民たちにも愛されてきた神田明神。
その例大祭である神田明神も一度は見ておきたいお祭りです。
アクセスが良く観光のついでにも立ち寄りやすいので、東京を訪れる際にはぜひ参拝してみてください。