伊勢神宮の禊の社―二見輿玉神社の歴史と見どころ

伊勢神宮の禊の社 二見輿玉神社の歴史と見どころ

三重県内でも伊勢神宮に次いで参拝客の多い二見輿玉神社。
古くは伊勢神宮へお参りする前にここで身を清めてから参拝していたことから、伊勢神宮の禊の社とも言われています。

「夫婦岩」や「契りの松」など、縁結びに関連したスポットが多いことから、夫婦やカップルでお参りする方も多い神社です。

本記事では、二見輿玉神社の歴史や見どころ、周辺観光スポットなどについてご紹介していきたいと思います。

二見輿玉神社の歴史

まずは二見輿玉神社の歴史について見ていきたいと思います。

二見輿玉神社は、明治時代に神仏習合などに伴って興玉社と三宮神社(三狐神社)が合祀された神社です。

輿玉神社は、輿玉大神(猿田彦大神)をお祀りしている神社。
天孫降臨の際に、「吾は伊勢の狭長田五十鈴川上にいかん」と言ってこの地へ降り立ったと言われています。

天平年間には行基和尚が「神々の御魂を奮い興(起)こす導きの神 興玉神の本地垂迹なり」として千手観世音菩薩を本尊として江寺を創建し、興玉社を鎮守としました。

三宮神社は、天照大御神が隠れてしまった天の岩屋の中に宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)をお祀りしている神社。
衣食や産業にご利益のある神様です。

二見輿玉神社の見どころ

では、二見輿玉神社の見どころについてご紹介していきたいと思います。

二見浦

渚百選にも選ばれている二見浦。
「禊浜」とも呼ばれ、古くから神聖な場所としてみなされてきました。

江戸時代にはこの場所で身を清める「垢離(こり)」を行ってから伊勢神宮へ参拝していたそうです。

夫婦の日(2月22日)やひな祭りの日には夜間も訪れることができ、昼間とはまた違った幻想的な風景を見ることができます。

夫婦岩

二つの岩が注連縄で結ばれた夫婦岩(めおといわ)。
まるで夫婦のように寄り添う姿は二見輿玉神社の縁結びのシンボルです。

日の出や月の出が美しく見える場所で、天気が良ければ富士山も見えるそうです。

夫婦岩のすぐ近くにはかえる岩(烏帽子岩)と屏風岩があるので、一緒に探してみてください。

契りの松

江戸時代にお伊勢参りへ訪れた男女が夫婦円満や子孫繁栄を祈願してこの松の木に着物を結んだというエピソードが残されています。
現在では夫婦岩と合わせてカップルに人気のスポットなのだそうです。

本殿

猿田彦大神をお祀りしている本殿。
御祭神である猿田彦大神の御使いが蛙であることにちなんで、境内のいたるところにカエルのモチーフがあしらわれています。

元宮司が貝の研究者でもあったことから、本殿のそばには巨大なオオシャコ貝が飾られています。
その推定年齢は何と150歳。
1.5メートルという滅多に見ることのできない大きさです。

日の出遙拝所

その名の通り日の出を拝むことができる場所。
夫婦岩のすぐそばにあり、古くは神宮参拝前の禊が行われていた場所でもあります。

目の前に広がる海には猿田彦大神が降り立ったと言い伝えられている「興玉神石(おきたましんせき)」が沈んでおり、4月ごろの大潮の際にはここからも見ることができるそうです。

日の出橋

本殿から天の岩屋へ向かう橋。
その名の通りこちらも日の出が見えるスポットで、夏至から一週間前後が特にきれいに見えるベストシーズンです。

天の岩屋

天照大御神が隠れたと言われている岩窟。
夫婦岩を望む海岸沿いに位置しており、天照大御神を踊りで岩窟の外へと誘った天鈿女命(あめのうずめのみこと)の石像があります。

岩窟の前に設置されている輪注連縄(わしめなわ)で体の悪い部分をさすって納めると不治の病でも治ると言われています。

栄野神社

五十鈴川沿いにある、二見輿玉神社の飛地境内社。
佐見津比古命(さみつひこのみこと)と大若子命(おおわくごのみこと)という神様をお祀りしています。

毎年1月14日に行われる「湯立神事」では、熊笹で参拝者の頭上へ湯を振り撒き、無病息災を祈願します。

龍宮社
「綿津見大神(わたつみのおおかみ)」という海の神様をお祀りしているお社。
津波災害の供養と海上安全を祈願する「郷中施(ごじゅうせ)」という例祭が行われている場所で、江戸時代の人々の津波をはじめとする大事の際にはみんなで助け合うという教訓が伝えられています。

二見輿玉神社と龍宮社を繋ぐ「禊橋」は綺麗な海と橋のコントラストが美しく、フォトスポットとしても人気です。

まとめ

二見輿玉神社の歴史や見どころについてご紹介しました。

かつてはお伊勢参りのための「垢離」の場所として重要な意味合いを持っていた二見輿玉神社。
現在も伊勢神宮とのかかわりが深く、その歴史の長さや豊かな文化が感じられます。

また、「夫婦岩」をはじめ、縁結びにご利益があるパワースポットとしても知られており、カップルでの参拝客も多いほか、美しい日の出を拝むことができる場所としても知られています。

江戸時代の人々のように二見輿玉神社へ参拝してからお伊勢参りへ出かけるのも良いですね。

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