加賀藩2代藩主・前田利長にゆかりのある瑞龍寺。
富山県高岡市に位置し、新高岡駅や高岡駅から徒歩で移動できるアクセス抜群の観光スポットです。
歴史ある建造物はどれも精緻さと迫力を兼ね備えた見事な建築で、思わず見入ってしまいます。
「トイレの神様」と呼ばれている仏像が祀られているのも特徴的。
本記事では、瑞龍寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
瑞龍寺へのアクセス
まずは、瑞龍寺へのアクセスについて見ていきましょう。
瑞龍寺は、富山県高岡駅の中心部に位置し、大変交通アクセスの良い観光スポットです。
北陸新幹線の新高岡駅、あいの風とやま鉄道の高岡駅のほぼ真ん中にあり、それぞれから徒歩15分、10分ほど。
駅から歩いて向かうことができる距離なので、車がなくとも楽に移動することができます。
また、瑞龍寺の閉門時間は普段が16時半、冬季が16時と季節によって異なり、年末年始にも変則的な時間で営業しているため注意が必要です。
前田利長と瑞龍寺
瑞龍寺は、加賀藩2代藩主・前田利長を祀るべく、3代藩主・利常が建立したお寺です。
利長はこの高岡の地に築城し、最期の瞬間もこの地で迎えました。
義弟である利常は、利長に加賀藩を譲られたことを恩に感じており、それに報いるためにも瑞龍寺を造立したと伝えられています。
加賀百万石と言われた前田氏の莫大な財力と権力を背景に、約20年もの歳月をかけて造られた瑞龍寺は壮大な伽藍配置と荘厳な建築、細部にまでこだわった精緻な造りが特徴。
完成当初は周囲に濠をめぐらせ、まるで城郭のような迫力と威厳に満ちたものであったそうです。
加賀藩の許可なしには使えなかった「戸室石(とむろいし)」が要所要所に使われていることからも、前田氏の瑞龍寺に対する強い思い入れが感じられます。
江戸時代初期の禅宗寺院建築を代表する建造物として、山門、仏殿、法堂は国宝に、総門、禅堂、大庫裏、回廊、大茶堂は国の重要文化財にそれぞれ指定されています。
瑞龍寺の見どころ
では、瑞龍寺の見どころについて見ていきたいと思います。
山門
両脇に立ってにらみを利かせている金剛力士像が目を惹く瑞龍寺の山門。
高さ18メートルもの二重門で、楼上にも釈迦如来と十六羅漢が祀られています。
二重門は通常上の屋根の方が下の屋根よりも小さく造られるのですが、瑞龍寺の山門は落雪で下の屋根を壊さないよう上下ともに同じ大きさにされており、雪国ならではの工夫が感じられる建造物です。
迫力と威厳が感じられるこの山門は、国宝にも指定されています。
仏殿
総重量47トンもの鉛の瓦が白く輝く仏殿。
釈迦、文殊、普賢の三尊が祀られており、格天井には絹織の天蓋が取り付けられています。
樹齢600年の能登ケヤキの木を使った堂内は歴史の重みと迫力がありながらも、どこかあたたかさや素朴さも感じられる建物です。
山門と同様に、仏殿も国宝に指定されています。
法堂
伽藍の中でもひときわ大きく、客殿書院造の法堂。
奥にある内陣には、加賀藩2代藩主・前田利長の位牌が安置されています。
内外陣の天井に描かれている狩野安信の四季の百花草の絵も見どころのひとつです。
この法堂も国宝に指定されています。
総門・禅堂・大庫裏・大茶道
瑞龍寺へ参拝する際に最初に通る総門、山門を抜けた先の芝生の左右にある禅堂と大庫裏、そして右奥の大茶道は、いずれも国の重要文化財に指定されている貴重な建物です。
かつては多くの僧侶が修行に励んでいた場所で、昭和や平成の大修理によって在りし日の姿がよみがえりました。
ぜひ国宝だけでなく、重要文化財の建物にも注目して観てください。
烏瑟沙摩明王
法堂の右の若般の間に祀られている烏瑟沙摩明王 (うすさまみょうおう)は、トイレの神様として知られています。
心や日々の不浄を焼き払い清める功徳を持つとされており、左右で表情がわずかに異なっているそうです。
周辺観光スポット
さいごに、瑞龍寺周辺の観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
前田利長のお墓
瑞龍寺から徒歩3分ほどの場所にある、加賀藩2代藩主・前田利長のお墓。
その先に広がる小さな森のような場所には、高さ11.9メートルもの巨大な墓碑があり、加賀百万石の威厳や、篤い信仰心がうかがえます。
高岡大仏
「銅器のまち」としても知られる高岡市のシンボル。
市民らの手によって政策が開始され、26年の歳月をかけて造られたもので、高さ15.85メートル、重さ65トンにもなります。
まとめ
瑞龍寺の歴史や見どころについてご紹介しました。
加賀百万石の栄華を築いた前田氏と深い関わりを持ち、国宝や重要文化財に指定された貴重な建築物を有する瑞龍寺。
交通の便が良く、北陸新幹線が停車する駅から徒歩で向かうこともできるアクセス抜群の観光スポットです。
富山県を訪れる際にはぜひ瑞龍寺にもお参りしてください。