長野県を代表するパワースポットとして知られる戸隠神社。
戸隠山の麓に点在する5つの社を巡る五社巡りが有名で、毎年多くの観光客が参拝に訪れます。
神秘的で澄んだ空気の中で、豊かな自然を楽しみながら参拝できる場所です。
本記事では、戸隠神社の歴史や、五社それぞれの見どころについて解説していきたいと思います。
戸隠神社へのアクセス
まずは戸隠神社へのアクセスについて見ていきましょう。
戸隠神社は、長野県の主要ターミナル駅である長野駅から、路線バスで1時間ほどの場所にあります。
戸隠山での移動はもちろん徒歩でも可能ですが、バスや車を使うこともできます。
基本的に5つの社の近くまで路線バスが通っており、徒歩が体力的に厳しい場合はバスをうまく活用するとスムーズに参拝することができますよ。
ただし、奥宮と九頭竜社だけは参道に車両が侵入できないため、入り口から杉並木の道を登っていかなければなりません。
徒歩40分ほどなので、体力と相談しながら無理せずに参拝してください。
宝光社から火御子社までは徒歩15分ほど、中社までは徒歩20分ほど、中社から奥宮の入り口までは徒歩20分ほどです。
戸隠神社と天岩戸神話
戸隠神社は、天岩戸神話と深い関係がある神社です。
天岩戸神話とは、天照大御神が天岩戸に引きこもってしまった際に、神々が話し合い、歌や踊りで気を引いて岩戸を開かせたという神話。
太陽を司る天照大御神が隠れてしまったことで光を失ってしまった世界が、神々が知恵を出し合うことで再び世界に太陽の光をもたらすというストーリーです。
戸隠山は、その天岩戸が下界に落ちて出来たとも言われています。
奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社の五社にお祀りされている神様の多くは、それぞれ天岩戸神話に登場する神様です。
奥社は天手力雄命(あめのたちからおのみこと)、中社は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)、火之御子社は天鈿女命(あめのうずめのみこと)、宝光社は中社祭神の御子神の天表春命(あめのうわはるのみこと)をそれぞれお祀りしており、九頭竜社では地主神である九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)をお祀りしています。
戸隠山は古くから修験道の修業の場として広く知られ、江戸時代には幕府の保護を受けて庶民からも広く信仰されるようになりました。
戸隠神社の五社について
では、戸隠神社を構成する五社についてそれぞれ見ていきたいと思います。
戸隠神社は、戸隠山にある奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社の5つの社から成り立つ神社です。
天岩戸神話にゆかりのある神々と地主神がお祀りされており、古くから人々に広く信仰されてきました。
ここからは、五社それぞれの御祭神や特徴について見ていきたいと思います。
奥社
戸隠神社の五社のなかで最も奥の方にある社。
天照大御神が隠れていた天岩戸を押し開き、外へと導いた天手力雄命をお祀りしている社です。
2キロメートルほど続く杉並木の参道は豊かな自然に囲まれており、厳かな気持ちでお参りすることができます。
中社
社殿の天井に復元された、狩野派による「竜の天井絵」が目を惹く中社。
天照大御神が天岩戸に隠れてしまった際に、歌や踊りで天照大神を誘い出そうという作戦を考えた天八意思兼命をお祀りしています。
社務所や宝物館が併設されており、戸隠神社の中心的役割を担っている場所です。
宝光社
神仏習合の時代の名残を思わせる荘厳な社殿を有する宝光社。
御祭神の天表春命は、先ほどご紹介した天八意思兼命の御子神様に当たります。
社殿へと続く石段の両脇には豊かな緑が生い茂っており、歴史の長さと自然の持つ力を感じさせられる雰囲気を持つ社です。
九頭龍社
奥宮と同様に戸隠山の奥の方に位置する九頭竜社。
天手力雄命が奉斎されるよりも前に地主神として奉斎された九頭竜大神をお祀りしています。
すべての生命の源である水を司る神様としても知られており、古くから人々の篤い信仰を寄せられてきました。
火之御子社
神仏習合の時代が長かった戸隠神社のなかで、唯一仏教の影響を受けなかった火之御子社。
天照大御神に天岩戸から出てきてもらおうと神々でお祭りを行った際に、岩戸の前で舞いを披露した天鈿女命を主祭神に、高皇産御霊命(たかみむすびのみこと)、栲幡千々姫命(たくはたちちひめのみこと)、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)をお祀りしています。
まとめ
戸隠神社の歴史や、戸隠神社を構成する5つの社について解説しました。
天岩戸神話と深い関わりがあり、古くは修験道の修業の場として栄えた戸隠神社。
江戸時代に入ってからは、幕府からの庇護を受けて庶民の間でも信仰されるようになりました。
由緒ある神社のご利益を授かるのはもちろん、自然豊かな参道を散策すると心も体も洗われるような感覚になります。
ぜひ、戸隠神社で五社巡りをしてみてください。