世界で初めて真珠の養殖に成功した三重県。
真珠養殖が盛んな地として世界中に知られています。
県内では真珠アクセサリーが購入できる場所や真珠の取り出し体験をはじめ、真珠養殖に触れることができる場所がたくさんあり、観光客からの人気も高いです。
本記事では、三重県で生まれた真珠養殖の仕組み、真珠の取り出し体験、三重県内の真珠に関連した観光スポットなどについてご紹介していきたいと思います。
真珠養殖のしくみ
まずは、養殖真珠がどのようにしてできるのかについて見ていきたいと思います。
真珠養殖は、三重県鳥羽市出身の御木本幸吉によってはじめられ、西川藤吉や見瀬辰平も大きく貢献して誕生しました。
大正時代には真珠養殖の技術はほぼ確立され、戦後本格的に一般事業化されます。
真珠養殖に使用するのは、アコヤガイと呼ばれる種類の貝類です。
昔はアコヤガイを海女が海から採ってきていたそうですが、現在は稚貝から人の手で養殖しています。
この稚貝を採取する作業を「採稚(さいびょう)」と呼んでいます。
貝の開閉を妨げる海藻などを取り除く「貝掃除」や、人工的に産卵を促進させて「核入れ」が可能な期間を長くする「卵抜き」と呼ばれる作業を行いながら1~2年かけて大切に育てます。
「卵抜き」が済んだアコヤガイは、貝の口を開け、そこにくさびを打ち込む作業を行い、「細胞切り」をして「核入れ」の準備を行います。
他の貝の貝殻で作られた「核」をアコヤガイに入れる「核入れ」と呼ばれる作業は真珠養殖のなかでも最も繊細で難しい作業で、一人前の職人になるためには十年もの歳月を要すそうです。
「核入れ」によって衰弱したアコヤガイは、しばらく人の目が届く場所で適切に管理された後、沖で吊るされ真珠を育てます。
全てのアコヤガイが無事に真珠を育てるわけではなく、なかには途中で死んでしまう貝も。
無事に採取された真珠は塩もみや水洗いできれいにされ、アクセサリーへと加工されます。
真珠の取り出し体験について
三重県内では、さまざまな場所でアコヤガイから真珠を取り出す体験をすることができます。
しかし、真珠の取り出し体験で具体的に何をするのか、ということは案外ご存知でない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、真珠の取り出し体験の流れについておおまかに見ていきたいと思います。
まずは、生きたアコヤガイを取り出し、そのまま専用のヘラを二枚貝の隙間に入れてぐいと開きます。
貝を開くと身の部分の上に真珠が載っていますので、それを慎重に取り出します。
綺麗に洗浄して加工すれば真珠の完成です。
真珠の大きさや形などは、貝を開いてからのお楽しみ。
全く同じ真珠はひとつとしてなく、自分だけの真珠を取り出すことができるのも真珠の取り出し体験の醍醐味です。
大人から子どもまで楽しめる体験ですので、ぜひチャレンジして素敵な旅の思い出をつくってください。
三重県の真珠関連スポット
さいごに、三重県内の真珠に関連した観光スポットについて見ていきたいと思います。
ミキモト真珠島
世界で初めて養殖真珠が誕生したミキモト真珠島。
昔ながらの白い磯着を身にまとった海女たちによる実演が行われているほか、養殖真珠生みの親である御木本幸吉の銅像もあります。
真珠の歴史や技術、美術品などについて学ぶことができる「真珠博物館」や、真珠王・御木本幸吉お業績を紹介している「御木本幸吉記念館」などの博物館、真珠アクセサリーを購入できるショップ、アコヤガイの貝柱を使った料理を頂くことができるレストランなど、盛りだくさんな観光スポット。
数時間~半日程度かけてゆっくりと観光するのがおすすめです。
英虞湾遊覧船観光
養殖真珠が誕生した場所であり、現在も真珠の養殖が盛んな英虞湾。
遊覧船がいくつか運行されており、入り組んだ海岸線と緑豊かな小さな島々が浮かぶ特有の景観を楽しむことができます。
アコヤガイを吊り下げて真珠を養殖している「真珠いかだ」のすぐそばを通るコースもあり、真珠養殖の実際の様子を間近で見ることが可能。
英虞湾の豊かな自然が織りなす美しい景観とともに、真珠養殖の歴史に触れることができます。
真珠の取り出し体験・アクセサリー製作体験
先ほどご紹介したような真珠の取り出し体験や、真珠を使ったアクセサリーの製作体験もおすすめ。
県内の主要な観光スポットの近隣で体験できる場所も多く、三重県観光の思い出作りにぴったりです。
まとめ
真珠の仕組み、真珠の取り出し体験、三重県内の真珠に関連した観光スポットなどについてご紹介しました。
純白の輝きを放つ真珠。
その養殖技術は三重県で生まれ、県内には真珠に関連したさまざまな観光を楽しむことができます。
特に真珠の取り出し体験は、良い旅の思い出になるかと思います。
三重県を訪れた際は、ぜひ真珠の取り出し体験にもチャレンジしてみてください。