文豪・島崎藤村が生まれ育った地―馬籠宿の歴史と見どころ

文豪・島崎藤村が生まれ育った地 馬籠宿の歴史と見どころ

江戸から数えて43番目の宿場町である中山道・馬籠宿。
当時の建物やまち並みが保存されたノスタルジーを感じさせる雰囲気が魅力的で、国内外問わず多くの観光客が訪れます。

また、文豪・島崎藤村の出身地としても知られており、彼の記念館やゆかりの地、作品に登場する場所などが馬籠宿内に点在しています。

土産物店や食べ歩きスポット、フォトスポットなども充実しているので、まち歩きを楽しむ若い女性にも人気です。

本記事では、馬籠宿の歴史と見どころについてご紹介していきたいと思います。

馬籠宿と島崎藤村

まずは、馬籠宿の歴史について簡単に解説していきたいと思います。

馬籠宿が中山道の宿場町として整備されたのは、江戸時代ごろのことです。
江戸と京都を結ぶ中山道は歴史のターニングポイントに当たる出来事に多く登場しており、特に和宮降嫁の様子は、島崎藤村の作品「夜明け前」に詳しく記載されています。

戦国時代、木曾義在に仕えながら馬籠城に拠点を置いていた島崎氏でしたが、小牧・長久手の戦いで敗れてからは各地を転々として帰農し、最終的には馬籠宿の町割りに参加して本陣職に任じられました。
この島崎氏こそが、文豪・島崎藤村の家系に当たります。

本陣、庄屋、問屋を兼ねた旧家に生まれた島崎は、出身地である馬籠宿に関する作品も多く残しています。
なかでも、先ほども少し触れた「夜明け前」の冒頭「木曽路はすべて山のなかである」はあまりにも有名。
馬籠宿にはほかにも多くの作品や島崎自身にゆかりのある場所があります。

馬籠宿の見どころ

さいごに、馬籠宿の見どころについてご紹介していきたいと思います。

水車小屋

昔ながらの大きな水車が付いた小屋。
馬籠宿のシンボルともいえるもので、パンフレットなどにもよく掲載されています。

現役で水力発電機としても利用されているそうです。
まずはここで1枚写真を撮っておきたいですね。

枡形・常夜灯

「枡形」とは、道を直角に曲げることで敵の侵入を阻害する構造のこと。
江戸時代の各宿場町では、枡形を接地するように指示されていたそうです。

また、常夜灯は先ほどご紹介した水車の電力を利用して点灯されています。

馬籠館

馬籠宿最大の土産物店。
駐車場も完備されているので、観光の拠点にはぴったりな場所です。
馬籠宿や木曽路全体の銘品、地酒、工芸品などが販売されています。

藤村記念館(馬籠宿本陣)

馬籠宿の本陣に当たる、文豪・島崎藤村の生家。
島崎藤村の原稿や遺品、稀覯本コレクションなどが収蔵・展示されています。

彼の生家自体は明治時代に焼失してしまっており、現在の記念館の建物は建築家・谷口吉郎の設計によるものです。

常設展示室では処女詩集「若菜集」から絶筆に当たる「東方の門」まで、島崎の生涯をたどりながら彼の作品の世界に浸ることができる空間になっています。

馬籠脇本陣史料館

馬籠宿のまちの年寄役も兼ねていた脇本陣の跡地に建てられた史料館。
もとの建物は藤村記念館と同様に火災で焼失してしまっており、現在は当時の上段の間が復元されています。

馬籠宿の歴史や文化、制度の解説とともに、当時使用されていた家財や什器が展示されており、人々の暮らしの様子を学ぶことができます。

清水屋資料館

代々馬籠宿の役人を務めてきた清水屋原家。
島崎藤村とも親しかったそうで、島崎自筆の書簡や写真などの資料が収蔵・展示されています。

実は島崎の著作のひとつである「嵐」に登場する「森さん」という人物が原一平に当たり、ゆかりの品々を多数保持しているのです。

代々馬籠宿の役人を務めてきた家系であるので、江戸時代を中心に馬籠宿の歴史を物語る品々も多く収蔵されています。
脇本陣史料館と同様、馬籠宿の人々の暮らしや文化を感じ、学ぶことができる場所です。

永昌寺

島崎藤村の菩提寺となっているお寺。
島崎の著作「夜明け前」に登場する「万福寺」がこの永昌寺に当たるそうです。

お寺に宿泊して修行等を体験できる宿坊も行われており、精進料理や座禅も体験することができます。

落合の石畳

落合宿と馬籠宿を繋ぐ石畳。
急な坂道が続くこの道を大雨から守るために敷かれたそうです。

現在は整備され、古くからの姿を留めている部分も含めた800メートルあまりの部分が再現されており、周囲を見渡しながらゆっくりと歩けば当時の旅人の気分に。
石畳を登った先には、島崎藤村の筆による「是より北 木曽路」の碑があります。

4.5キロメートル、所要時間1時間半のハイキングコースとなっているので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

馬籠宿の歴史や見どころについてご紹介しました。

江戸時代のまち並みや建物が保存された、ノスタルジー漂う馬籠宿。
文豪・島崎藤村の出身地としても有名で、彼の作品に登場する場所が多く、聖地巡礼も楽しめます。

また、近年は日本の昔ながらの文化や歴史を感じることができる場所として、外国人観光客にも人気があるようです。
周囲は豊かな自然も楽しめる観光スポットですので、ぜひ訪れてみてください。

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