三重県鈴鹿市にある椿大神社(つばきおおかみやしろ)。
開運や導きにご利益があると言われている猿田彦大神をお祀りしており、三重県内では伊勢神宮や二見輿玉神社に次いで参拝客の多い神社です。
長い歴史を感じさせる緑豊かなで厳かな雰囲気の境内は、歩いているだけで心が洗われていくかのよう。
別宮にお祀りされている天之鈿女命とは夫婦であることから、縁結びにもご利益があるとされ、最近は若いカップルにも人気のあるパワースポットです。
本記事では、椿大神社の歴史や見どころなどについてご紹介していきたいと思います。
開運と導きの神様・猿田彦大神
まずは、椿大神社をはじめ全国に二千余社ある猿田彦神社がお祀りしている猿田彦大神について軽く解説していきたいと思います。
猿田彦大神は天孫降臨の際に瓊瓊杵命(ににぎのみこと)の道案内をしたことから、「導きの神」と呼ばれている神様です。
開運や導きのほかにも、家内安全、無病息災、交通安全、商売繁盛、学業成就など、さまざまな願い事にご利益があるとされています。
人生の節目など、自分の進むべき方向に迷いを抱えているタイミングでお参りすると、より良い方向へと導いてもらうことができるかもしれません。
椿大神社の歴史
地元の人々からは「椿さん」の愛称で親しまれている椿大神社。
松下電器の創業者である松下幸之助ともゆかりがあるなど、古くから格式高い神社として知られ、人々の信仰を集めてきました。
その始まりは、神話の時代にまで遡ります。
天孫降臨の際、瓊瓊杵命の道案内を務めた猿田彦大神。
無事高千穂の峯へと瓊瓊杵命を導いた猿田彦大神は「道別の大神」としての役割を完遂したことにより「道別大神の社」を奉斎されます。
このお社こそがこの椿大神社です。
猿田彦大神をお祀りする数多の神社の本宮であることから、「地祇猿田彦大本宮」とも呼ばれています。
また、猿田彦大神をお祀りする神社は国内のみならず海外にもあります。
アメリカのカリフォルニア州には、1987年に「アメリカ椿神社」が造営されました。
現在はワシントン州に移って「アメリカ椿大神社」としており、神道の普及活動が行われているそうです。
椿大神社の見どころ
では、椿大神社の見どころについてご紹介していきたいと思います。
御船磐座
瓊々杵尊一行の御船が到着した場所とされていることからその名が付いた御船磐座。
禁足地となっているため入ることはできませんが、謡曲「鈿女(うずめ)」にも謡われている神聖な場所です。
断り乃鳥居
入り口から拝殿までの道のりのちょうど中ほどにある石の鳥居。
ある武士が椿大神社の木を勝手に伐採して建材に使用したところ、その建物はたった一夜で焼失してしまった。
これを神様のお怒りに触れてしまったがために下った罰であると考えた武士が、詫びのしるしとしてこの鳥居を立てたという逸話が残されています。
本殿
うっそうとした木々に囲まれた、厳かな雰囲気のある本殿。
猿田彦大神をはじめ、天孫瓊々杵尊、栲幡千々姫命、木花咲耶姫命、天之鈿女命、行満大明神、合祀三十二神がお祀りされています。
かなえ滝
絵馬を奉納するスペースの隣にある滝。
恋愛成就や開運成就にご利益があるとされ、パワースポットとして注目されています。
かなえ滝の写真を撮ってスマートフォンの待ち受けにすると願いが叶うというジンクスがあります。
扇塚
使わなくなってしまった芸能関係の道具を奉納するお社。
芸事に関するさまざまなものが奉納されており、扇、衣装、笛といった和の芸事はもちろん、過去にはフラダンスの衣装が奉納されたこともあるそうです。
招福の玉
縁結びや夫婦円満、招福導きの玉。
「払え給え、清め給え、六根清譲(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら台座の玉を撫でると心の中に幸福を招き入れ、願い事が叶うと言われています。
土公神陵
猿田彦大神の御陵。
参道の途中にあるため少しわかりにくいのですが、見つけたらぜひ手を合わせてください。
延命地蔵堂
平安時代後期に造られたと言われている地蔵堂。
不治の病にも効くと言われており、全国から多くの方が参拝に訪れるそうです。
椿岸神社
椿大神社の別宮で、猿田彦大神の妻である天之鈿女命(あまのうずめのみこと)をお祀りしています。
踊りで天岩戸から天照大御神を誘い出した天之鈿女命は芸能の神様とされ、芸事上達などにご利益があるとされています。
また、猿田彦大神と夫婦の神様であるので、夫婦円満や縁結びの神様ともされ、若い女性やカップルにも人気です。
まとめ
椿大神社の歴史や見どころなどについてご紹介しました。
全国にたくさんある猿田彦神社の本宮である椿大神社。
天皇の祖である瓊瓊杵命を道案内したことから「導きの神」とされている猿田彦大神。
人生の節目にお参りすれば、私たちを良い方向へ導いてくれるかもしれません。