かつて都が置かれ、また1000年ものあいだ都が置かれていた京都からほど近い場所にある滋賀県。
交通の要衝であり、戦略的にも重視されていた場所でもあるので、長い歴史とロマンにあふれたエピソードを持つ神社仏閣が多くあります。
琵琶湖をはじめ自然豊かな場所も多く、お参りだけでなく散策を楽しめるのも魅力的です。
本記事では、滋賀県内の神社仏閣のなかでも、特に観光客に人気なものについてご紹介していきたいと思います。
歴史が詰まった滋賀県の神社仏閣
今から1300年以上前、天智天皇の時代に滋賀県に置かれた近江大津宮。
近江令や庚午年籍など、律令政治における重要な決定がなされた、歴史的にも重要な場所です。
そして、長く都が置かれていた京都に隣接しているという土地柄、朝廷とのつながりもある日本を代表するような神社仏閣や、名だたる文化人や文学と関連する場所、戦国武将ゆかりの地まで、幅広い歴史ロマンが詰まっている場所でもあります。
また、多くの場所から琵琶湖を望むことができ、参拝だけでなくその景観を楽しみながら散策するのも楽しみのひとつです。
滋賀県内のおすすめの神社仏閣
ここからは、滋賀県内の観光客におすすめの神社仏閣についてそれぞれ見ていきたいと思います。
日吉大社
平安京の表鬼門を守るために創建されたと伝わる日吉神社。
方除けや厄除けを祈願する場として、また比叡山延暦寺が開かれるまでは天台宗の守護神としても信仰されてきました。
「魔が去る、勝る」と「神猿(まさる)」をかけて猿が特に大切にされ、境内にはいたるところに猿のモチーフがあしらわれています。
駅からのアクセスも良好で、紅葉の名所としても知られています。
近江神宮
冒頭でご紹介した近江大津宮の跡地に創建され、天智天皇をお祀りしている神社。
鎌倉時代に選定された小倉百人一首の巻頭に天智天皇の「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」が選ばれていることから、かるたの聖地としても知られており、実写映画「ちはやふる」のロケ地となったことでも話題を呼びました。
文芸や学問にご利益があると言われているほか、近江朝で時報が取り入れられたことから境内には時計の博物館も併設されていますので、興味のある方はぜひあわせて訪れてみてください。
石山寺
「花の寺」と呼ばれるほど四季折々の花々が境内に咲き誇る石山寺。
紫式部が石山寺に参籠し、琵琶湖の湖面に映った十五夜の月を眺めて、「須磨」の「今宵は十五夜なりけり」という一節を書き出したことから、「源氏物語はじまりの地」とされ、多くの文学者や文化人が訪れているお寺です。
広い境内は豊かな自然に恵まれ、貝塚の跡も見られます。
物語の余韻と花々が織りなす風景が美しく、ゆったりと散策できるお寺です。
比叡山延暦寺
世界文化遺産にも登録されている天台宗の総本山。
1300年ほど前に伝教大師・最澄によって開かれ、弘法大師・空海によって開かれた真言宗の高野山金剛峰寺とともに日本仏教界の双璧を担っています。
その歴史の長さと宗教観は世界的にも高く評価されており、近年では国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れているそうです。
多くの貴重な文化財を保持しており、それらのなかには国宝や重要文化財の指定を受けたものも少なくありません。
電車とケーブルカーを利用すれば参拝はそこまで困難ではなく、日常から隔絶された信仰の世界の一端に触れることができます。
西教寺
聖徳太子が恩師である高麗の僧慧慈・慧聡のために創建し、後に高僧・真盛が再興したと伝わるお寺。
真盛は戒律の厳守と称名念仏を奨励し、西教寺は今日に至るまで戒律や念仏の道場として知られてきました。
また、西教寺はかつて明智光秀が治めた坂本のまちにあるお寺。
織田信長による比叡山延暦寺で被害を受けた西教寺を光秀が再興したことから、明智一族の墓があることでも知られています。
白髭神社
滋賀県内で最も古い神社であると言われており、2000年以上前、垂仁天皇の時代に創建されたとの記録があります。
能を形作ったことで知られる観阿弥による謡曲「白鬚」の中にもその縁起が謡われており、全国に300もの分社があるそうです。
神話の「天孫降臨」の際に道案内を務めた導きの神様である猿田彦命をお祀りしており、開運、導き、そして長寿にご利益があるとされています。
多賀神社
天照大御神の親神である伊邪那美大神と伊邪那岐大神をお祀りする神社で、生命の親神様であるとして、延命長寿、縁結び、厄除けにご利益があると言われています。
歴史と由緒ある近江国第一の大社と言うだけでなく、四季折々に移り変わる境内の豊かな自然も魅力的。
琵琶湖はもちろん彦根城も近いので、観光のついでに参拝するのも良いですね。
三井寺(園城寺)
天台宗門宗の総本山として建てられた1200年の歴史を持つ古刹で、正式名称は「長等山園城寺」です。
天智天皇、天武天皇、持統天皇の産湯を汲んだことから、「三井(御井)寺」と呼ばれるようになったとされています。
源平合戦や南北朝の争乱など、長い歴史のなかで何度か戦火に焼かれてしまいますが、そのたびに人々の信仰によって再興されてきました。
貴重な文化財を多く保持しており、金堂などは国宝に指定されています。
境内の自然も美しく、四季の移ろいを感じながら散策するのもおすすめです。
まとめ
滋賀県のおすすめ神社仏閣についてご紹介しました。
かつて都が置かれ、長く都が置かれた京都にも近く、歴史ロマンが詰まった滋賀県の神社仏閣。
由緒ある神社仏閣や歴史上の人物との関わりの深い場所もたくさんあります。
ぜひ滋賀県の神社仏閣へ参拝に訪れてください。