商品・事業の開発、業務の改善のために何か新たなアイデアが必要であると感じることはありませんか。
既存の枠組みにとらわれないアイデアを生み出すための手法のひとつに、SCAMPER(スキャンパー)法があります。
7つの質問に答えることで、多角的な視点から問題を見つめ、解決方法を探ることができるというフレームワークです。
既存のアイデアについて、7つの項目に分けて思考していくことで新たな角度から問題を捉え、革新的なアイデアを生み出すことができるのがスキャンパー法の強みです。
本記事では、SCAMPER(スキャンパー)法において重要な7つの質問の意味や、フレームワークを行っていく際に押さえておきたいポイントについて解説していきたいと思います。
SCAMPER(スキャンパー)法とは?
まずは、SCAMPER(スキャンパー)法とは何かについて見ていきましょう。
SCAMPER(スキャンパー)法とは、「オズボーンのチェックリスト」をもとに、アメリカの創造性開発の研究家であるボブ・エバールが編み出したものです。
「オズボーンのチェックリスト」が9つの質問で構成されているのに対して、スキャンパー法は7つの質問で構成されており、より短時間で用いることができるように改良されています。
SCAMPERの頭文字で表現される7つの質問、つまり
- Substitute(代用)
- Combine(組み合わせ)
- Adapt(適応)
- Modify(修正)
- Put to other uses(転用)
- Eliminate(除去)
- Reverse・Rearrange(逆転・再構成)
の項目から問題を見つめることで、7つの視点からアイデアを出していくというフレームワークです。
新たなアイデアが必要な際、既存のアイデアからスキャンパー法を用いることで、柔軟に視点を変えて思考することが可能になり、より多角的で革新的なアイデアを生み出すことができます。
既存のアイデアから、短時間でより多くのアイデアを出していかなければならないときにおすすめのフレームワークです。
スキャンパー法における7つの質問
では、スキャンパー法の要となる7つの質問についてそれぞれ見ていきたいと思います。
Substitute(代用)
何か別のものに置き換えて代用することができないか?という質問です。
何を代用するかは論題に寄りけりで、手順や枠組みから、材料、人材、時間、場所など、さまざまなものを置き換えて考えていきます。
Combine(組み合わせ)
2つ以上のものを組み合わせるとどうなるか?という質問です。
これもどのような項目にも応用することができ、製品、サービス、目的、方法など、さまざまな要素を組み合わせて考えていきます。
Adapt(適応)
既存のアイデアを新たなアイデアに適応させられないか?という質問です。
過去に成功した事業を他分野に適応できないか、既存のサービスを他の用途に使うことができないか、というように考えていきます。
Modify(修正)
既存のアイデアを修正することで新たなアイデアに繋げることができないか?という質問です。
製品の重さや動作、大きさ、デザインなどを変えることで新たな製品に生まれ変わらないか、サービスの内容や場所、所要時間などを変えることで新たなターゲットを獲得できないか、というように考えていきます。
Put to other uses(転用)
既存のアイデアを別のアイデアに転用できないか、という質問です。
既存の製品を従来とは異なる用途、目的、方法で使うことはできないか、既存のサービスを他委のターゲット、場所、時間に行うことはできないか、というように考えていきます。
Eliminate(除去)
既存のアイデアから一部を除去して新たなアイデアに生まれ変わらせることはできないか?という質問です。
既存の製品やサービスから何かを取り除くことで、シンプルに、コンパクトに簡略化していったり、コストを削減したりできないか、というように考えていきます。
Reverse・Rearrange(逆転・再構成)
既存のアイデアを並べ替えたり逆にしたりして別のアイデアを生み出せないか?という質問です。
既存の手順を入れ替えたり、原因と結果、表と裏、強みと弱みなどを逆にしてみたりすることで、新たな製品やサービスを考えていきます。
スキャンパー法のポイント
ではさいごに、スキャンパー法を用いる上でのポイントについてみていきたいと思います。
核となる既存のアイデアを用意しておく
前項の7つの質問を見るとお分かりかと思いますが、スキャンパー法は既存のアイデアから発展させて新たなアイデアを生み出していく手法です。
スキャンパー法を用いる際は、新たなアイデアへと展開していくための既存のアイデアが必要になります。
時間制限を設ける
スキャンパー法は、時間をかければかけるほど良いアイデアが生まれるという手法ではありません。
短時間で集中して行うようにしましょう。
とにかく多くのアイデアを生み出す
スキャンパー法は短時間でより多くのアイデアを生み出すためのフレームワークです。
アイデアの良し悪しや実現可能性を評価したり整理したりするのはアイデアを出し切ってからにしましょう。
まとめ
SCAMPER(スキャンパー)法について解説しました。
既存のアイデアから、短時間でより多くのアイデアを生み出すことができるスキャンパー法。
多角的な視点から革新的なアイデアを生み出すのに適しています。
ぜひうまく活用してビジネスに応用していってください。