「玄武岩」の名付けのきっかけになったことでも知られる兵庫県豊岡市の玄武洞。
柱状節理と呼ばれる割れ目のような岩柱が整然と連なるさまはまさに自然の大彫刻。
城崎温泉からも近く、観光で立ち寄るのにもちょうど良い立地も魅力的です。
本記事では、玄武洞の見どころや周辺観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
160万年の大地の営みがつくり出す芸術
160万年前の二見山の噴火による溶岩が冷え固まって形成された岩石層である玄武洞。
海や川による浸食により6000年ほど前に現在のような柱状の岩壁が生まれたとされています。
江戸時代には採石場が置かれていた玄武洞は、学術的にも非常に価値が高いとされている場所。
玄武洞を構成する岩石である「basalt」を地質学者の小藤文次郎が「玄武岩」と訳したことからその岩石名が定着したと言われています。
玄武岩が地質学的に注目されるもう一つの大きな特徴は「地磁気逆転」と呼ばれる現象です。
地球は何度も地磁気が入れ替わっているとされており、玄武洞の癌石器は現在とは反対の地磁気の時代に出来たもの。
これを国内外のほかの火山岩と照らし合わせて調査し、地磁気がふたつの極性を持つことを示唆し、そして現在とは逆の極性を持つ地質年代の特定まで行った松山基範という人物の研究にも玄武洞は大きく関わっているのです。
玄武洞は5つの洞で構成されており、古代中国の神話で4つの方角を司る霊獣になぞらえて、玄武洞・青龍洞・白虎洞・朱雀洞(南朱雀洞・北朱雀洞)とそれぞれ名付けられています。
玄武洞の5つの洞の魅力
ここからは、洞ごとに玄武洞の魅力について見ていきたいと思います。
玄武洞
採石場として掘り進められた人為的な洞穴と整然と並ぶ柱状節理とのコントラストがダイナミックな印象を与える玄武洞。
人力でここまで削り出せるのか、という驚きと大地の圧倒的なスケールの大きさの両方に圧倒されます。
大正14年に起きた北但大震災で大きく崩れてしまったエリアには震災前の写真なども展示されており見比べて鑑賞することが可能です。
柱状節理は、よく見ると断面が六角形になっているので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
青龍洞
約15メートルにも渡る長い柱状節理や世界的にも珍しいとされる曲線状の柱状節理が目を惹く青龍洞。
5つの洞のなかでも特に美しい柱状節理が見られる場所であるとされています。
洞の前にある池の水面に映し出された柱状節理の様子もまた趣があって美しいです。
また、青龍洞には今にも落ちそうだけれども落ちてこない石があることから、合格祈願や願掛けのパワースポットとしても知られているそうです。
白虎洞
青龍洞よりもより近くで断面を観察することができる白虎洞。
こちらの柱状節理は横向きに伸びていっていることが特徴です。
他の洞と比較すると柱状節理の一つひとつが細いことから、溶岩が素早く冷えた周縁部付近であることがうかがえます。
また、白虎洞には断面がハート形になっている石があるということで、恋愛成就のパワースポットとしても知られているそうです。
南朱雀洞・北朱雀洞
南朱雀洞の脇の方の岩石には柱状節理が無く、岩肌がごつごつとしているのがわかります。
溶岩の表面が急冷された部分は溶岩流の先端にあたり、あまり柱状節理が発生しづらい部分なのだそう。
表面が急冷されて熱いままの内部が後から溶け出して表面を破壊して塊状の岩石の集まりになるようで、石にはガス穴も散見されます。
玄武洞ミュージアム
玄武洞の入り口には、玄武洞ミュージアムがあります。
世界中から鉱石、化石、宝石、奇石などの「石」を集めた博物館で、実物に触れながら「石」について深く学ぶことができます。
ステゴドン(昔のゾウ)やティラノサウルスなどの全身骨格も展示されており、恐竜などに興味のあるお子さんは大興奮すること間違いなしです。
豊岡の伝統工芸品である「豊岡杞柳細工」についての展示も行われているほか、小さなお子さんに向けた「たんけんクイズ」などもあります。
館内には地元のブランド牛である但馬牛や但馬鶏などを使用したオリジナルメニューが楽しめるレストランも。
お土産や地元の特産品を取り扱うショップも併設されており、全国的にもその名が知られている「豊岡鞄」も販売されています。
かご編み体験やペンダントづくりといったアクティビティも豊富で、手を動かしながら学びつつ楽しむこともできます。
大人から子どもまで世代を問わず楽しめる場所になっていますので、玄武洞を訪れる際はぜひ玄武洞ミュージアムも訪れてみてください。
まとめ
玄武洞の見どころについてご紹介しました。
大地がつくり出す迫力ある芸術が広がる玄武洞。
大自然の営みのスケールの大きさとダイナミックさに圧倒されます。
エリア的には城崎温泉に近いので、城崎観光の際にはぜひ玄武洞の方へも足を延ばしてみてください。