桜や紅葉の名所として知られている吉野山。
そこに古くからある修験道の根本道場として知られているのが金峯山寺です。
長く人々に親しまれてきた美しい山の自然と、そこに宿る日本古来の山岳信仰に触れることができる場所で、世界遺産にも登録されています。
巨大な仏像や大規模な木造建築など貴重な文化財も多くあり、見どころは盛りだくさん。
本記事では、金峯山寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
吉野に古くから伝わる修験道の聖地
古くから桜や紅葉の名所として古典文学作品にもたびたび登場する吉野山。
そこから大峰山にかけての一帯は古くから聖域とされ、修験道の根本道場として栄えた場所でした。
境内には国宝や重要文化財に指定されている建造物もいくつかあり、非常に見ごたえがあります。
また少し奥まったところにある「脳天さん」は頭に関するご利益があると言われていますので、受験生やそのご家族は必見です。
金峯山寺の歴史
金峯山寺は白鳳時代に役行者が一千日間の参籠修行の末に金剛蔵王大権現を感得し修験道の御本尊としたことにはじまります。
貴族や皇族だけでなく庶民からも篤く信仰された金峯山寺は修験道の根本道場として大いに栄えます。
戦乱や廃仏毀釈の波にのまれることもありましたが、人々の信仰心に支えられ現在も修験道の中心的寺院となっています。
金峯山寺の見どころ
では、金峯山寺の見どころについてご紹介していきたいと思います。
本堂(蔵王堂)
白鳳年間に創建されたと伝わっており、御本尊である高さ7メートルもの巨大な金剛蔵王権現3体が安置されている本堂。
蔵王堂とも呼ばれており、幾度かの焼失の再建の末、現在の建物は安土桃山時代に建てられたものです。
現存する古い木造建築としては奈良の東大寺大仏殿に次ぐ規模を誇り、国宝に指定されています。
仁王門
20.3メートルにも及ぶ高さを誇る重層入母屋造りの堂々たる姿の仁王門。
左右に安置されている仁王像はどちらも14世紀に康成(こうじょう)という高名な仏師によって造られたもので、重要文化財に指定されています。
建物は国宝に指定されており、現在は大修理中とのことです。
銅鳥居
本堂の北側に立つ鳥居型の門。
「吉野なる銅(かね)の鳥居に手をかけて 弥陀(みだ)の浄土に入るぞうれしき」という秘歌が伝えられているように、古くから山の入り口として知られ、入峰修行の行場のひとつでした。
現在の鳥居は鎌倉時代に建立されたもので、重要文化財に指定されています。
高師直の襲撃の際に焼け落ちてしまったとされており、このとき本堂も焼失してしまったと言われています。
二天門跡
かつて蔵王堂の南に建っていた二天門。
鎌倉幕府が攻め寄せてきた際に村上義輝が五大度天皇の息子である大塔宮護良 (だいとうのみやもりなが)親王の身代わりとして切腹したという伝説が残る場所で、「二天門跡村上義光公忠死之所」の石柱が立っています。
四本桜
蔵王堂のすぐ前にある四本桜。
「大塔宮(だいとうのみや)御陣地」の石柱が立っており、鎌倉幕府が攻め寄せるなか、死を覚悟した大塔宮護良親王が最期の酒宴を催した場所であると言われています。
村上義光に助けられた護良親王は高野山へと落ちのび、建武の新政の際には征夷大将軍となりますが、足利尊氏と対立し悲惨な最期を遂げました。
護良親王の死は足利尊氏の勢力拡大のきっかけとなり、南北朝の争乱はますます激化していきます。
観音堂
室町時代ごろの創建とされている観音堂。
南北朝時代のものであると言われている十一面観音立像や、かつて世尊寺にあったと伝わる阿難・迦葉尊者立像が安置されています。
愛染堂
明和年間に経蔵として建立され、護摩堂としても使われていた建物。
現在は蔵王堂に安置されていた愛染明王を移し御本尊としています。
愛染明王は縁結びにご利益があることでも知られています。
脳天大神龍王院
「脳天さん」の呼称で親しまれている脳天大神龍王院。
戦後に管領となった五條覚澄(かくちょう)が滝へ向かう途中に頭を割られた蛇を助けたことから受けた「まつられたし、まつられたし。吾(われ)は頭を割られた山下の蛇である。蔵王の変化身(へんげしん)である。脳天大神としてまつられたし。首の上の如何なる難病苦難も救うべし」という夢のお告げによって創始されました。
境内の奥の方の谷あいにあり道中には大きな段差などもありますが、「頭」に関連する様々なご利益を授かることができると言われている場所なので体力に自信のある方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
金峯山寺の歴史や見どころについてご紹介しました。
「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして世界遺産に登録されている金峯山寺。
長い歴史を誇り、国宝や重要文化財に指定されている建造物を多く保有しています。
豊かな自然と古来より続く山岳信仰に触れることができる場所で、古戦場としても知られています。
お花見や紅葉狩りなどで吉野へ足を運ぶ際はぜひあわせて参拝に訪れてみてください。