日本最古と言われている神社のひとつであり、かつては物部氏の総氏神とされていた石上神社。
健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就などの御神徳で知られ、境内に放たれた御神にあやかって受験などに「落ちない」ご利益もあるとされています。
豊かな自然に囲まれた境内には歴史ある建物が多く残っており、見どころも盛りだくさんです。
本記事では、石上神宮の歴史と見どころについてご紹介していきたいと思います。
日本最古の神社のひとつ
奈良県天理市、布留山の麓に位置する石上神宮。
古代においては物部氏の総氏神とされていた日本最古の神社のひとつで、神宮は百済から伝わったと言われている国宝の「七支刀」を収蔵していることでも知られています。
「古事記」、「日本書紀」、「万葉集」などにも記載が見られ、平安時代後期には白河天皇が篤く信仰。
現存する拝殿は白河天皇が宮中の神嘉殿(しんかでん)を神宮へ寄進したものであると伝わっています。
戦乱に巻き込まれて衰退した時代もあったそうですが、明治時代には再興が進みました。
かつては本殿が無く神剣や神宝が埋められた禁足地を御本地としていましたが、明治時代にそれらが出土し、大正時代には御本殿が造営されています。
石上神宮の見どころ
ではここからは、石上神宮の見どころについてご紹介していきたいと思います。
楼門
山形有朋の手による「萬古猶新(ばんこゆうしん)」の木額が掲げられた朗雄門。
鎌倉時代末期に後醍醐天皇によって建立されたとの記録が残っており、重要文化財に指定されています。
かつては神仏習合の名残で鐘楼門として鐘を吊るしていたそうですが、明治時代に出された神仏分離令により取り外されてしまったそうです。
拝殿
現存するものとしては最古の拝殿であり、国宝にも指定されている非常に貴重な建物。
白河天皇が石上神宮の鎮魂祭のために宮中の神嘉殿を寄進したものであると考えられていますが、建築区分としては鎌倉時代初期のものであるそうです。
補修の際の棟札も6枚残されています。
神杉
万葉集にも「石上布留の神杉」と詠まれている石上神宮の杉。
「布留」という地名は、川を流れる鋭い鉾が布を断つことなくその中に留まったという逸話から付けられたと言われています。
その鉾を埋めてお祭りしたところ、埋めた場所から杉が生えたという逸話も残っており、この杉が布留の杉であるという逸話もあるそうです。
御神鶏
奈良と言えば鹿を思い浮かべますが、石上神社の境内にいるのはニワトリ。
「古事記」や「日本書紀」にも登場するニワトリは神様の御使いとして古くから重宝されており、石上神社へは40年ほど前に奉納されたそうです。
境内に暮らすニワトリは現在30羽ほど。
枝にとまっているニワトリは眠っていても「落ちない」ことから、入学試験、人気、業績などが「落ちない」として御神鶏をモチーフにした絵馬やおみくじも人気です。
鏡池
奈良県の天然記念物に指定されているワタカという平たくて細長い魚、別名「馬魚(ばぎょ)」が生息していることで知られる鏡池。
南北朝時代、南朝の後醍醐天皇が吉野へ向かう途中に天理の内山永久寺にある萱御所へたどり着いた際、後醍醐天皇の馬が池の畔で息絶えてしまいました。
その池の魚は馬の亡霊が乗り移ったのか馬のような平たい顔になり、「馬魚」と呼ばれるようになったという逸話があります。
この馬魚が後醍醐天皇の無事を祈り続けたためか、順調に旅を続け、無事に吉野へとたどり着きました。
石上神宮のワタカは内山永久寺跡の本堂池から移されたもので、同時期に東大寺の鏡池にも移されています。
出雲建雄神社拝殿
石上神宮の摂社であり、草薙剣の荒魂(あらみたま)である 出雲建雄神(いずもたけおのかみ)をお祀りしているお社。
拝殿は12世紀前半に建立された内山永久寺の住吉社の拝殿を大正時代に移築したもので、国宝に指定されています。
山の辺の道
奈良から石上神社を通り、三輪へと続く山の辺の道。
「古事記」、「日本書紀」、「万葉集」などの古代の書物にたびたび登場する古道で、自然地形に沿って出来たものであるとされています。
道沿いには古墳や古刹、旧跡などが点在しており、大和三山や金剛山など奈良を代表する眺望と四季折々に咲き誇る花々を眺めながら山歩きができるおすすめのハイキングスポットです。
歴史と自然に触れながら山歩きを楽しみたい方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
石上神宮の歴史と見どころについてご紹介しました。
名だたる古刹・名刹が多く残っている奈良の社寺のなかでもひときわ長い歴史を持ち、古くは物部氏の総氏神であったとされる石上神宮。
「古事記」や「日本書紀」にもたびたび登場するなど古くから人々に篤く信仰され、特にかかわりの深い白河天皇は拝殿を寄進するなどしており、国宝に指定されています。
豊かな自然と境内を自由に散歩する御神鶏たちに癒されながら、歴史ある神社の神秘に触れてみてください。