大阪・貝塚市に位置する水間寺。
その歴史は古く、聖武天皇の時代に行基菩薩によって開かれたと言われています。
「水間観音」の愛称でも親しまれ、厄除けや開運にご利益のある水間寺は、大阪市内と比較するとそれほど混雑せず、ゆっくりと観光を楽しむことができるスポットです。
本記事では、水間寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
水間寺のはじまり
水間寺の創建は、聖武天皇の時代にまで遡ります。
当時病気に苦しんでいた聖武天皇は「この奈良の都より西南の方角にあたって観世音菩薩がご出現なされる。よってこの観世音の尊像を都にお供をしてご信仰申せ」と夢のお告げを受け、勅命を下して行基菩薩に観世音の仏像を探させました。
お告げの通りに奈良から西南の方角を歩いた行基菩薩は、葛城の峰から水が湧き出る巨大な岩を発見します。
すると「十六人の童子」が現れ、行基菩薩をひとりの白髪の老人のもとへ誘い、仏像を行基菩薩へ授けたのです。
聖武天皇はこれを現地にお祀りするよう指示し、行基菩薩が堂宇を建立したのが水間寺のはじまり。
以降、厄除け観音として庶民にまで広く信仰されるようになりました。
お夏と清十郎の逸話
ふたりが出会ったのは700年ほど前のこと。
伏見天皇の勅使の随身としてこの地を訪れていた山名清十郎が勅使をもてなすために出仕していた豪農の娘であったお夏はこの地で出会い、いつしか互いに思い合うようになります。
しかし、時代は南北朝時代。
戦乱が始まると、清十郎は敗れ去ってしまいますが、お夏が愛染明王に毎夜祈願していたこともあったのか、住吉の松原というところで再会し、無事に結ばれました。
このような逸話から、水間寺の愛染堂は今も恋人の聖地として知られています。
水間寺の見どころ
愛染堂
愛欲染着を司り、縁結びや来福などにご利益があるとされる愛染明王をお祀りしている御堂。
お夏と清十郎が恋を祈願し、成就させたと伝わる場所でふたりのお墓があります。
恋人の聖地とも言われており、若い女性やカップルなどにも人気があるスポットなのだそうです。
本堂
御本尊である聖観音菩薩立像が安置されている本堂。
豊臣秀吉による「根来攻め」の際、堀秀政によって焼き討ちされ、また天明年間に起こった火災によって焼失するなど何度も危機を迎えますが、そのたびに人々の力によって復興し続けた御堂でもあります。
本瓦葺の二重屋根が重厚感のある印象を与えます。
護摩堂
本堂の南側にある瓦葺の御堂。
全ての悪魔を降伏させ、あらゆる障害を焼き尽くすと言われている不動明王をお祀りしています。
不動明王は大日如来の使者として信者を守護するともされており、毎月18日には病気平癒や心願成就を祈願する護摩供養が行われています。
三重塔
開基当時は多宝塔で多宝如来を、さらに孝謙天皇が舎利塔を安置したとの記録もある三重塔。
「根来攻め」で焼失してしまいましたが、萬治年間に再建し釈迦仏を安置しました。
この当時の三重塔は井原西鶴が書いた「日本永代蔵」のモデルになったのではないかとも言われているそうです。
現在のものは天保年間に再建されたもので、軒下の蛙又に十二支の彫刻が施されています。
行基堂(開山堂)
水間寺を開いた行基菩薩をお祀りしている御堂。
開山に際して、すぐ横にある池に自らの姿を映しながら自作の像を彫ったと言われています。
この自作像はこの御堂に安置されていたもののやはり天明の大火で焼失してしまい、現在の御堂は17世紀中ごろに再建されたものと考えられています。
降臨の瀧観音堂
行基菩薩が竜神から聖観世音像を授与されたとされる瀧のすぐそばにある御堂。
本王の北西に位置しています。
周辺観光スポット
さいごに、水間寺の周辺観光スポットについて見ていきたいと思います。
水間公園
お夏と清十郎が出会ったと言われている愛染橋がある公園。
桜の名所として地元で親しまれており、春には多くの人でにぎわいます。
芝生の上を散策したりお弁当を食べたりしてのんびりと過ごすのも良いですね。
水間鉄道
大正時代創業の水間鉄道。
その終着駅である水間観音駅が水間寺の最寄り駅です。
レトロな駅舎や駅に飾られた苔玉も必見です。
脇浜戎大社
「今宮戎」「西宮戎」と並んで三大えびす神社と称されることもある脇浜戎大社。
泉州地域では最も古い戎社で、もとは豊漁を祈願して建立された神社なのだそうです。
奥水間温泉
美人の湯とも言われている奥水間温泉。
日帰り入浴やお食事も可能で、気軽に旅の疲れを癒すことができます。
初夏には蛍が見られるスポットとしても知られているので、ぜひ参拝のあとに立ち寄ってみてください。
まとめ
水間寺の歴史や見どころについてご紹介しました。
お夏と清十郎の逸話から縁結びにご利益があるとされている水間寺。
厄除けや開運にもご利益があります。
大阪観光の際には、ぜひ泉州地域の水間寺にも足を延ばしてみてください。