美しい紅葉が堪能できる大原。
その代表的な観光スポットである三千院を抜け、しばらく歩くと見えてくるのが音無の滝です。
豊かな自然の中で、静寂に包まれた滝の姿を堪能することができる場所。
周辺には大原の名刹が集結しており、観光のついでに立ち寄ることが出来る場所でもあります。
本記事では、音無の滝の見どころや、周辺観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
修行と静けさの滝
「天台声明(しょうみょう)」発祥の地であるとされる大原にある音無の滝。
後白河法皇の声明の師でもある家寛をはじめとする声明法師たちがこの滝に向かって声明を唱えていたと言われています。
その名前の由来は、声明の修行を始めたころは滝の音に声がかき消されてしまっていた声も、稽古を重ねることによって最終的には滝の音が聞こえなくなるほど声明が辺りに響き渡ったからとも、その声に滝の音が同調したから、滝の音が声明のように聞こえたからとも言われています。
幾人もの僧侶たちが声明を修行した大原という地の歴史が詰まった滝です。
音無の滝の見どころ
観光地からほど近い距離にありながら、静かな空間で大原の自然を存分に堪能することができる音無の滝。
かつて修行の場であったこともあり、声明が聞こえてきそうなほどの神秘的な静寂に満ちています。
音無の滝そのものももちろん素晴らしいのですが、そこへ至るまでの道の周囲の自然も見どころ。
道中はそれほど険しい道ではありませんが、滑りやすい箇所もあるのでスニーカーなどの歩きやすい靴での観光がおすすめです。
周辺観光スポット
では、音無の滝周辺にある大原のおすすめ観光スポットについて見ていきたいと思います。
三千院
大原を代表する観光スポット。
境内では四季折々の自然が楽しめ、紅葉の名所として知られています。
伝教大師・最澄が比叡山に庵を結んだ際に開いたひとつの御堂が始まりであるとされ、平安時代の建築を今に伝える重要文化財の「往生極楽院」や国宝にも指定されている「阿弥陀三尊像」が見どころです。
彫刻家・杉村孝の手による「わらべ地蔵石」も有名。
「有清園」と呼ばれる苔むした庭が緑色に輝くさまはため息がこぼれるほど美しい風景です。
勝林院
日本音楽の源であると言われている「天台声明」の発祥であるとされているお寺。
「証拠の阿弥陀」と言われている「踏出阿弥陀如来」や「十一面観音菩薩像」、「普賢菩薩像」、「法然上人御木像」などがお祀りされており、平安時代からあるとされている「梵鐘」は重要文化財に指定されています。
浄土宗の祖である法然が行ったとされる「大原問答」にちなんで、本堂ではボタンを押すと声明を聞くことができるようになっており、現在も1月3日には「修正会(しゅしょうえ)」という声明法要が行われています。
来迎院
天台声明の根本道場とされ、鎌倉時代には多くの僧侶が学んだ名刹。
御本尊のほかに薬師如来、阿弥陀如来、釈迦如来などの平安時代の仏像や「三重石塔」と呼ばれる鎌倉耳朶の聖応大師のお墓がお祀りされており、いずれも国の重要文化財に指定されています。
仏像や塔以外にも、国宝に指定されている平安時代の「天台宗祖師伝教大師度縁一巻」や日本で唯一の「日本霊異記」の中・下巻、戦後に文化財に指定された大原生命に関する書物など、多くの貴重な典籍を所有していることでも知られているお寺です。
実光院
勝林院の子院であり、境内に咲く「不断桜(ふだんざくら)」が有名なお寺。
「不断桜」は秋から春にかけて咲く非常に珍しい桜で、長く楽しめる桜を眺めながらお抹茶をいただくこともできます。
池泉廻遊式庭園である「契心園」には季節ごとに美しい草花が咲き誇り、四季の移ろいを感じられる境内です。
宝泉院
実光院とともに創建された来迎院と並ぶ勝林院部のお寺。
御本尊である阿弥陀如来のほか、観音菩薩、勢至菩薩などがお祀りされています。
境内には、徳川家家臣が自決した伏見城の床を供養のために天井にした「桃山城血天井」や、書院を囲むように池や築山、草木が配置された「鶴亀庭園」、客殿の西側にある2本の柱を額縁に見立てた「盤桓園」などがあります。
阿弥陀寺
17世紀初頭、諸国行脚の末この地にたどり着いた弾誓上人によって開かれた如法念佛の道場。
紅葉の美しさで知られる大原エリアの中でも特に鮮やかに木々が色づくスポットとして古くから知られており、樹齢800年を超えるカエデの木がシンボルとなっています。
右側に安置されている「阿弥陀如来坐像」は国の重要文化財に指定されており、鎌倉時代に造られたそうです。
まとめ
音無の滝の見どころや周辺観光スポットについてご紹介しました。
紅葉が有名な大原エリアの中でも、ひと際静けさが堪能できる音無の滝。
訪れる観光客も比較的多くなく、美しい大原の自然をゆったりと堪能できるおすすめの穴場観光スポットです。