信楽焼や朝宮茶の生産で知られる滋賀県甲賀市の信楽町。
窯元巡りや抹茶スイーツはもちろん、自然豊かでのどかな風景が広がる信楽には、魅力的な観光スポットがたくさんあります。
かわいらしいローカル鉄道や歴史を感じられる場所にも注目。
本記事では、信楽の定番観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
信楽焼と朝宮茶のまち
信楽町と聞いて真っ先に思い浮かぶのはタヌキの置物でおなじみの信楽焼ではないでしょうか。
越前、瀬戸、常滑、丹波、備前などとともに日本六古窯(にほんろっこよう)として知られている信楽焼。
その技術や伝統は鎌倉時代中期ごろから今日に至るまで脈々と受け継がれています。
小琵琶湖層の粘土や周囲をぐるりと山々に囲まれた地形など、焼き物を作る環境に恵まれた信楽は、京都や大阪といった古くからの大都市が近かったこともあり盛んに陶器が生産されてきました。
ところで、信楽焼と言えばタヌキの置物、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
これは、昭和天皇が信楽を訪れた際、信楽焼のタヌキの置物に日の丸の旗を持たせて地元の人々が歓迎している様子を目にして「幼なとき 集めしからに 懐かしも しがらき焼の 狸をみれば」と詠んだことに由来します。
この行幸以降信楽焼きのタヌキの置物が縁起物として全国的に定着し、広く知れ渡りました。
もちろんタヌキの置物だけではなく、器などの生活雑貨から建築材料に至るまで、信楽焼はさまざまな場所で使われています。
ぜひお土産にお気に入りの信楽焼を見つけて旅の思い出にしてください。
また、信楽は日本五大銘茶に数えられる朝宮茶の産地としても知られています。
緑茶の最高峰とも謳われる豊かな香りが特徴で、お茶としていただくのはもちろん、抹茶スイーツも人気です。
信楽焼関連スポット
まずは、信楽焼に関連する観光スポットについて見ていきたいと思います。
窯元散策路
「陶生町」「焼屋町」といった地名が今も残る信楽のまち。
信楽駅から続く昔ながらのまち並みは、特に「陶器のまち・信楽」を感じられる場所です。
道々にある陶板や陶製の道標を頼りにまち歩きをしたり、工房めぐりをしたりして過ごすのがおすすめです。
信楽陶芸村
100年以上の歴史を持つ「奥田忠左衛門窯」を中心に、登り窯や穴窯の見学や陶芸体験ができる施設。
実際に使われていた窯を改装した「登り窯カフェ」も人気です。
信楽伝統産業会館
展示を通じて、信楽焼の歴史や作品に触れることができる施設。
現代作品の企画展示はもちろん、鎌倉時代から近世にかけての信楽焼の変遷を学ぶことができる常設展示も見ごたえがあります。
信楽陶苑 たぬき村
日本一大きなたぬき像があることで知られる陶芸体験施設。
1万匹ものタヌキたちが並ぶ光景には圧倒されます。
ろくろを回すコースや手ひねりの体験など、陶芸体験も充実しています。
滋賀県立陶芸の森
「やきもの×アート×自然」をテーマにした施設。
豊かな自然に囲まれた環境の中で、信楽焼に限らず、全国の、そして世界の焼き物に触れることができるテーマパークです。
美術館や展示場はもちろん、個性的な野外アートにも注目です。
信楽の観光スポット
ここからは、信楽焼だけではない信楽の魅力を感じることができる観光スポットをいくつかご紹介していきたいと思います。
紫香楽宮跡
かつて聖武天皇が置いた紫香楽宮があった場所。
1250年もの歴史と信楽の豊かな自然を感じることができるスポットです。
鶏鳴の滝
清らかな水の音と笹ヶ岳の美しい景観に癒される鶏鳴の滝。
蒸し暑い夏には涼を感じられる穴場スポットとして人気です。
元旦に現れるという黄金の鶏が新年の幸いを告げるという伝説からその名が付いたと言われています。
周囲の「鶏鳴八滝」と呼ばれる大小8つの滝もあわせて訪れてみてください。
玉桂寺
苔の庭園が美しいことで知られる古刹。
とくに雨や朝露に濡れて緑色に輝く苔の美しさには、日常の喧騒からは隔絶された静けさと癒しを感じます。
MIHO MUSEUM
豊かな自然と美しい建築が融合した美術館。
シルクロードの歴史に触れることができる世界中の美術品が集められ、緑とアートに囲まれた贅沢な時間を過ごすことができます。
無農薬の野菜を使用したお食事もおすすめです。
信楽高原鐡道・信楽駅
タヌキのラッピングがかわいらしい信楽高原鐡道。
信楽の玄関口である信楽駅では、たくさんのタヌキたちがお出迎え。
毎年ゴールデンウィークには「しがらき駅前陶器市」が開催され、たくさんの信楽焼や屋台が並びます。
まとめ
信楽の定番観光スポットについてご紹介しました。
信楽焼や朝宮茶などの生産で知られ、豊かな自然とのどかな田園風景に癒される信楽。
かつて紫香楽宮が置かれた歴史的な場所でもあります。
ぜひ信楽で焼き物に触れて、のんびりと時間が流れていく雰囲気を満喫してください。