白山信仰の中心!那谷寺の歴史と見どころ

白山信仰の中心 那谷寺の歴史と見どころ

1300年もの歴史を持つ石川県の那谷寺(なたでら)。
本堂がある洞窟は「岩屋」と呼ばれ、岩屋をくぐることで生まれ変わることができると伝えられている「いわや胎内くぐり」が有名です。

また、境内にある「奇岩遊仙境」は「自然智」の具現化のような自然の力とそれに対する人々に信仰を感じられる場所になっており、山水画のような景観が広がっています。
古くから石川県に根付く白山信仰を五感で体感することができる古刹です。

本記事では、那谷寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。

那谷寺へのアクセス

まずは、那谷寺へのアクセスについて見ていきましょう。

石川県内最大のターミナル駅である金沢駅からは、最寄りの栗津駅まで北陸本線に乗って40分ほど。
栗津駅から那谷寺へはタクシーで10分ほどです。

石川県のなかでも特に人気の高い温泉地である加賀温泉郷の最寄り駅、JR加賀温泉駅からは「加賀周遊バスCANVAS(キャン・バス)」で34分ほどです。

石川県の中心部や温泉地からのアクセスも良いので、石川県を訪れる際はぜひ那谷寺へお参りしてください。

那谷寺の歴史

まずは、那谷寺の歴史について簡単に見ていきたいと思います。

越前出身の僧侶・泰然が白山へ禅定した際に岩屋寺が開かれました。
平安時代、政争に敗れて都を追われた花山院が白山を訪れた際に岩屋寺にも参拝し、西国三十三所の那智山と谷汲山から「那」と「谷」を取って「那谷寺」と名付けたと伝わります。

天台宗白山三ヶ寺と呼ばれ、白山信仰の中心的存在であった那谷寺ですが、南北朝時代から戦国時代にかけての争乱の時代には3度も焼かれたそうです。

那谷寺の再興が進んだのは、江戸時代に入ってから。
加賀藩4代藩主・前田利常が境内の建物の多くを修善・再建し、那谷寺復興に大きく貢献しました。

現在境内に残っている建物の多くは利常の時代に造られたものです。
利常によって再び人々の信仰の拠り所となった那谷寺には、現在も多くの参拝客が訪れます。

「いわや胎内くぐり」について

那谷寺観光のメインと言えば「いわや胎内くぐり」。
那谷寺の本堂は洞窟にあり、そこをくぐることで生まれ変わることができるとされているのが胎内くぐりです。

古くは住居として使用されることもあった洞窟は「岩屋」とも呼ばれ、死と関わりの深い場所でありながら母親の胎内になぞらえて再生を意味することもしばしばあります。

「岩屋」をくぐることで生まれ変わり、新たに出直す「いわや胎内くぐり」は、自然が造り出した洞窟の迫力を感じながら、輪廻転生を体感できる、那谷寺観光のなかでも特に人気の高い体験です。

那谷寺の見どころ

ではさいごに、那谷寺の見どころについてご紹介していきたいと思います。

奇岩遊仙境

山水画のような力強い自然美が感じられる、那谷寺を象徴する景勝地。
古くは海底噴火の跡で、風や波による浸食によって現在のような奇岩群が形成されました。

自然そのものを信仰する「自然智」を具現化したような景観が広がっています。

金堂華王殿

十一面千手観世音菩薩をお祀りする金堂。
南北朝時代に焼失してしまいましたが、平成に入ってから再建されました。

鎌倉時代の和様建築様式である総桧造りで、ここですべての法会が行われています。
地元出身の作家が手掛けた壁面の作品にも注目です。

大悲閣(本殿)

国の重要文化財に指定されている本堂(大悲閣)。
御本尊の十一面千手観世音菩薩が安置されている本殿。
白山信仰の中心となっており、かつて一向一揆によって焼失してしまいましたが、前田利常によって再建されました。

岩壁に沿って作られた本殿は「ウマレキヨマル」場所とされ、「いわや胎内くぐり」が体験できます。

書院・書院庭園

国の重要文化財に指定されている書院と、国の名勝に指定されている書院庭園。
天正の争乱で焼失した諸堂伽藍の仮御堂とて建てられたものを、江戸時代に入ってから前田利常が書院として再建しました。

玄関の土天井をはじめ、ほかの書院造とは少し異なる構造をしています。

石川県内最古の庭園である書院庭園は、遠州流の茶人・小堀遠州の指導を受けながら加賀藩の作庭奉行・分部卜斉が造園したもの。
庭園内には茶室もあります。

三重塔

こちらも国の重要文化財に指定されている三重塔。
扇垂木の手法を用いて造られた建物からは歴史が感じられ、周囲の自然と調和した美しさが感じられます。
こちらの建物も前田利常が建立したもので、胎蔵界大日如来が安置されています。

同様に、護摩焚きを行っている護摩堂や、少し珍しい造りになっている鐘楼も国の重要文化財に指定されています。

大池

三重塔の奥にある大池。
30年ほど前に池の中から多くの遺跡が発見されたのだそう。

発掘された遺跡は那谷寺の址で、南北朝時代から戦国時代にかけての戦乱によって焼かれてしまったと考えられています。
那谷寺は当時から白山信仰の拠点として知られており、政争にも巻き込まれていたことがうかがえます。

まとめ

那谷寺の歴史や見どころについてご紹介しました。

「いわや胎内めぐり」の体験や山水画のような美しい景観を楽しめる「奇岩遊仙境」をはじめ、さまざまな見どころがあります。

金沢や加賀温泉郷からのアクセスも良いので、ぜひ石川県を訪れる際には那谷寺へ参拝してみてください。

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