国内最高傑作とも言われている摩崖仏があることで知られる、富山県の大岩山日石寺。
本格的な滝行体験ができることでも有名で、特に夏には多くの参拝客が訪れます。
門前町の名物「大岩そうめん」やお寺の近くにある温泉なども楽しみたいですね。
本記事では、大岩山日石寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
日石寺の歴史
まずは、大岩山日石寺の歴史について軽く見ていきたいと思います。
もともと巨岩や奇岩が多いこのあたりは、山岳信仰が盛んな場所で、修行のために訪れる人々も多かったそうです。
奈良時代には高僧・行基和尚が訪れ、摩崖仏を彫ったと言われています。
平安時代には寺院が創建され、やがて真言宗のお寺として成立しました。
戦国時代には上杉謙信と対立し、多くの僧兵たちを抱えていた時代もありました。
やがて江戸時代を迎えると加賀藩の庇護を受けて興隆します。
昭和期に大きな火災に遭い貴重な資料などが数多く燃えてしまいましたが、摩崖仏の不動明王は無事で、現在も私たちの目に触れることができます。
本格的な滝行体験!
日石寺は、本格的な滝行体験ができることで知られています。
滝行体験をする際は受付を済ませ、護摩木に名前や成し遂げたいことを書いて白衣に着替え、水掛不動を清めてから滝へと向かいます。
滝行というとそれそのものが修行の代表格のように捉えられがちですが、目標に向かって進むために体を清め、精神を整えることで自分自身と向き合うのが本来の目的なのだそうです。
大岩山日石寺の見どころ
では、大岩山日石寺の見どころについてご紹介していきましょう。
本堂(摩崖仏)
奈良時代の高僧・行基和尚によって一夜で彫られたと言われている本堂の摩崖仏。
半肉彫りでやや傾斜している不動明王の姿は、拝む人と目線が合うように設計されているそうで、まるでこちらに向かってくるような力強い迫力に溢れています。
一部剝落した部分もありますが、地震や風化などの影響は受けておらず、とても良い状態で保存されてきました。
国内における摩崖仏の最高傑作であるとされ、国の重要文化財に指定されています。
大日堂
木造の大日如来と真言八祖を祀っているお堂。
洞内にある御真言の梵字が彫られた石球と石製の大五鈷杵は、触れると知恵を授かることができると言われています。
観音堂
木造の如意輪観音と聖観音を祀っているお堂。
お堂の横には、大岩館から寄贈された十一面観音が安置されています。
地蔵堂
木造の地蔵菩薩を祀っているお堂。
寿命長寿のご利益があることから、「延命地蔵」とも呼ばれています。
江戸時代に魚津の廻船問屋が寄贈したそうで、地蔵菩薩と繋がった錫杖を振ると、病や厄災を払うことができると言われています。
愛染堂
木造の愛染明王、石像の不動明王、木造の大黒天が祀られているお堂。
もともとは、不動明王は加賀藩の江戸屋敷に、大黒天は焼失した旧庫裏の台所にそれぞれあったそうです。
恋愛成就、子孫繁栄、夫婦円満があると言われています。
阿覚窟
巨大な岩石をくり抜いた中に、弘法大師が疫病退散の際の姿の秘剣大師の石像を祀ったとされる場所。
病や厄災を払うご利益があると言われており、洪水で流されてしまった旧八十八箇所霊場の石仏もたくさん祀られています。
山門
火災を免れ、江戸時代の当時のままの姿を残す山門。
歴史を感じる山門と周囲の豊かな自然が、どこか浮世離れした雰囲気を作り出しています。
参道の百段坂を登る参詣者の健脚にご利益があるそうです。
千巌渓・奥の院
摩崖仏の不動明王を彫った行基菩薩を岸壁の洞穴に祀っている奥之院。
道中には数多くの滝があり、自然環境によって位置が変わってしまうことがあることから、千巌渓とも呼ばれています。
周辺観光スポット
さいごに、大岩山日石寺の周辺観光スポットをいくつかご紹介したいと思います。
門前町
歴史ある老舗旅館や料理処がある、古き良き門前町。
名物の「大岩そうめん」や、こだわりのラーメン、近年オープンしたおしゃれな甘味処など、さまざまなジャンルの美味しいものを堪能することができます。
日石寺へお参りする際はぜひ立ち寄ってみてください。
大岩不動の湯
日石寺の近くにある温泉。
ひのきをふんだんに使った建物は、心身ともにリラックスできること間違いなし。
参拝のあと、滝行のあとに、汗を流してすっきりしましょう。
里山マウンテンバイクツーリズム
電動アシスト付きのマウンテンバイクで自然豊かな里山を駆け抜けるのもおすすめ。
豊かな緑や新鮮な空気を味わいながら、坂道でも快適にサイクリングを楽しむことができます。
まとめ
大岩山日石寺の歴史や見どころ、周辺観光スポットについてご紹介しました。
本格的な滝行体験ができる大岩山日石寺。
国内における摩崖仏の最高傑作とも言われている本堂の不動明王も見逃せません。
お参りの後は、ぜひ名物の「大岩そうめん」や温泉「不動明王の湯」でお腹を満たして汗を流し、心身ともにリフレッシュさせましょう。