日本史上最もスケールが大きい戦いともいえる「関ヶ原の戦い」の舞台となった岐阜県関ケ原町。
古代より「不破関」が設置され、交通の要所とされてきました。
そんな場所で今から400年ほど前に起きた前代未聞の合戦は、わずか半日で決着がつくあっけないものでした。
さまざまな思惑が交錯し、利害や正義がぶつかり合った関ヶ原の戦い。
その大舞台となった関ケ原には、今もその戦いの名残があり、周辺には記念館や資料館もあります。
関ケ原へ、歴史ロマンに浸るたびに出かけてみませんか。
本記事では、関ヶ原の歴史や関ヶ原の戦いについて簡単に解説し、関ヶ原の主要な観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
関ケ原の歴史
まずは、この関ケ原という場所の歴史について見ていきたいと思います。
関ヶ原と言えばやはり関ヶ原の戦いが有名ですが、実は大海人皇子と大友皇子が皇位を巡って戦った壬申の乱の舞台でもありました。
関ケ原町内には、関ヶ原の戦いだけでなく壬申の乱の痕跡もいくつか残されているので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
8世紀ごろ、謀反を起こしたものが機内から逃げないように、3つの関が設けられました。
そのうちのひとつが、関ヶ原にある不破関です。
不破の関は中央と地方を分けるという重要な役割を果たしていました。
やがて武士の時代になり、戦乱の世が訪れると、物流の要所であった関ケ原周辺には多くの城が築かれるようになりました。
関ヶ原の戦いが終わり、江戸時代に入ってからは宿場町が点在する交通の要所として発展。
現在も、東海道本線、東海道新幹線、国道、名神高速道路が通る日本の交通の大動脈になっています。
関ヶ原の戦いとは?
そもそも、関ヶ原の戦いとはいったい何だったのでしょうか。
関ヶ原の戦いは規模が大きく複雑で、特に西軍側は戦後取り潰しになった家なども多いため中立的な記録も少なく、さまざまな説があります。
ここでは、簡単に関ヶ原の戦いの大筋について解説しておきたいと思います。
関ヶ原の戦いは、徳川家康率いる東軍と、石田三成率いる西軍がぶつかり合った戦いです。
豊臣秀吉の死後、後継者・秀頼がまだ幼く、政局が不安定になっていったことが主な原因。
そこに、五大老のなかでも徳川家康と同等の力を持った前田利家の逝去、朝鮮の役から引き揚げてきた武将たちと日本に残っていた官僚たちとの軋轢などが重なり、やがて日本全国を巻き込む大きな争いへと発展していきます。
両軍勢の主力がぶつかったのが関ケ原であったため「関ヶ原の戦い」と呼ばれていますが、実際は国元にいた大名も多く、各地で争いが繰り広げられていました。
歴史を知っている私たちからすると半日で決着がついたこの戦いは最初から勝敗が決まっているようなものであったようにも思えますが、最近の研究では西軍が勝つ可能性もあったのではないかとの見方もあります。
ぜひ関ケ原へ訪れて、激動の争乱を感じ取ってみてください。
関ケ原の主な観光スポット
ここからは、関ケ原の主な観光スポットについてそれぞれ見ていきたいと思います。
関ヶ原古戦場
まずは、関ヶ原の戦いがまさに行われた、古戦場から。
東軍西軍、計15万以上もの兵がぶつかり合った古戦場は、特定の場所を示しているのではなく、山々に囲まれた一帯を指しています。
徳川家康の本陣跡は桃配山、石田三成の本陣跡は笹尾山にあります。
他にも、各武将の陣跡、関ヶ原を領有していた竹中重門と豊臣恩顧の武将でありながら東軍で暗躍した黒田長政の陣が敷かれた岡山烽火場(のろしば)などがあります。
岐阜関ヶ原古戦場記念館
最新技術を駆使して、五感で関ヶ原の戦いを体感できる新しい施設。
映像などを用いたわかりやすい展示内容なので、大人から子どもまで楽しむことができます。
関ケ原町歴史民俗資料館
関ヶ原の戦いや関ケ原一帯の歴史に関する展示を行っている資料館。
壬申の乱や不破の関に関する資料も展示されています。
関ヶ原鍾乳洞
全長518メートルの鍾乳洞。
年間を通して洞内の温度は一定で、夏でも涼しく観光できます。
古戦場を訪れた際にぜひ立ち寄ってみてください。
不破関址
古代に置かれた3つの関所のうちのひとつであった不破関。
発掘調査で出土した和同開珎や土器などを収蔵・展示している不破関資料館にも併せて足を運んでみてください。
まとめ
関ケ原の歴史や関ヶ原の戦い、そして関ケ原周辺の主要な観光スポットについてご紹介しました。
古くから交通の要所として重要視されてきた関ケ原、そして不破関。
そんな地理的にも重要な場所で勃発し、そしてあっけなく勝敗がついた関ヶ原の戦いは、日本史上最も有名な戦いと言えるのではないでしょうか。
その規模の大きさから背景や戦場の様子をひとことで言い表すのは難しいですが、そのくらい歴史ロマンが詰まった合戦です。
そんな歴史の大きなターニングポイントとなった場所で、武将たちや古代から人々が往来してきた不破関について思いを巡らせてみてください。