明月院ブルーが美しいあじさい寺―明月院の歴史と見どころ

明月院ブルーが美しいあじさい寺 明月院の歴史と見どころ

シーズンになると境内いっぱいのヒメアジサイが咲き誇ることから、「あじさい寺」の名で親しまれている明月院。
その美しさから「明月院ブルー」と呼ばれており、毎年多くの観光客が訪れます。

由緒ある古刹が多く立ち並ぶ北鎌倉の雰囲気や歴史ある境内と紫陽花が織りなす景観は唯一無二のもの。
フォトスポットとしてSNSを中心に話題を呼んでいます。

紫陽花の時期以外にも、紅葉や境内の史跡など、さまざまな楽しみ方ができるお寺です。

本記事では、明月院の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。

あじさい寺の名で親しまれる古刹

境内に群生する2500株もの紫陽花が咲き誇る明月院。
「あじさい寺」の名で親しまれ、「明月院ブルー」と歴史ある御堂とのコントラストが美しいお寺です。

SNSなどを通じてフォトスポットとしても知られ、近年では若い女性たちにも高い人気を誇る、北鎌倉の定番観光スポットです。

ですが、明月院の魅力はなにも紫陽花だけではありません。

春にはシダレザクラやレンギョウ、モモ、冬にはスイセンやツバキ、ロウバイが咲き誇り、四季を通じて花に囲まれた美しい境内は、いつ訪れても参拝客の目を楽しませてくれます。

秋の紅葉も美しく、「悟りの窓」から眺める本堂裏手の後庭園の鮮やかなモミジは、室内の静謐さと華やかな窓の外の風景のコントラストに思わずため息が出るほど。

また、明月院は史跡としても非常に重要な場所です。
得宗北条家ゆかりの場所でもある明月院は、関東管領を務めた上杉慶方が開基となっているお寺。
慶方の墓とも言われている、鎌倉最大のやぐら「明月院やぐら」は、国の重要文化財に指定されています。

フォトスポットとしても史跡としても見どころたくさんの明月院。
名刹・古刹が多い北鎌倉の寺院のなかでも高い人気を誇っています。

明月院と北条時頼

明月院の前身となる明月庵は、平治の乱で戦死した父・山内首藤俊道を祀るため、息子の経俊が創建しました。

その後、5代執権・北条時頼によってこの場所に「最明寺」が建立され、時頼は30歳の若さで出家します。
三浦一族を滅ぼすなど鎌倉幕府の安定と北条家の執権としての権力の確立に奔走した時頼でしたが、若くして病を得、37歳の若さで亡くなってしまいます。

時頼の死後は廃寺になってしまっていた最明寺でしたが、彼の息子で8代執権の時宗によって再興され、禅興寺と名前を改めました。

明月院と上杉氏

禅興寺の規模を大きくしたのは、足利尊氏の孫であり、2代鎌倉公方を務めた足利氏満のもとで関東管領を務めた上杉慶方でした。
このとき、明月庵は慶方の法名にちなんで明月院と改められます。

明月院の境内には時頼の墓だけでなく、慶方の墓とされる供養塔が、「明月院やぐら」の中に立っています。
彼が明月院を本格的に整備したことから、明月院の開基は上杉慶方ということになっています。

その後、禅興寺は関東十刹の筆頭となり栄えますが、明治元年に廃寺になり、明月院だけが残りました。

明月院の見どころ

ではさいごに、明月院の見どころについてご紹介していきたいと思います。

鎌倉石の参道(あじさいの参道)

明月院と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、両脇に紫陽花が咲き誇る参道ではないでしょうか。

「あじさいの参道」とも呼ばれている参道を登っていくと、趣のある山門が見えてきます。
まるで絵の中に迷い込んだかのような幻想的な風景に、思わず写真を撮ってしまうこと間違いなしです。

本堂(悟りの窓)

境内の自然に溶け込むかのような穏やかな雰囲気の本堂。
旅行誌などでよく目にする「悟りの窓」は円形で、宇宙や真理を表しているそうです。

手前に枯山水、窓の向こうに後庭園があり、両方の景色を楽しむことができます。

明月院やぐら

「やぐら」と聞くとお城にあるような背の高い櫓を思い浮かべる方も多いかと思いますが、ここで言う「やぐら」とは、鎌倉時代の洞穴墳墓のことです。
平治の乱で戦死した豪族が祀られており、手前にあるのが開基である上杉慶方の供養塔。

鎌倉のなかでは最大規模のやぐらであると言われています。

開山堂

山内上杉家の祖であり、関東管領を務めた上杉憲方が、密室守厳を開山として、明月院を建立しました。
開山堂の内部には、開山の密室守厳像が祀られています。

北条時頼の墓

現在明月院がある場所に最明寺を建立した5代執権・北条時頼のお墓。
明月院と北条家の繋がりが感じられる場所です。

まとめ

明月院の歴史や見どころについてご紹介しました。

長い歴史を持ち、かつてこの地を治めた北条氏とも深い関わりのあった明月院。
四季折々に移り変わる自然と厳かな雰囲気の境内は、訪れるたびにまた違った表情を見せてくれます。

フォトスポットとしても、史跡としても非常に見ごたえのある場所です。

鎌倉観光の際には、ぜひ北鎌倉の明月院の方へも足を延ばしてみてください。

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