東京都八王子市、関東の西端に位置する高尾山。
標高は599メートルと決して高くはありませんが、自然豊かで四季の移ろいが美しい山です。
登山口のすぐそばまで電車が通っているので、アクセスも抜群。
気軽に登山やハイキングを楽しむことができます。
本記事では、高尾山や薬王院の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
都心からのアクセスも良く、山の魅力が詰まった観光地
東京都内にありながら、豊かな自然を堪能できる高尾山。
新宿駅から麓の高尾駅までは、JR中央線特快で45分、京王線で50分ほど。
登山を楽しむ場合は京王線でさらに1駅進んだ高尾山口駅を利用します。
高尾山口駅からもケーブルカーが出ているので、登山初心者でも気軽に登ることが可能。
高尾山観光の名所・薬王院までの道中では四季折々の自然が楽しめます。
山頂からの絶景や道中の買い食いなど、行楽の楽しみが盛りだくさんです。
高尾山口駅にも、ミュージアムや温泉など、観光施設が充実。
幅広い年齢層で丸1日楽しめる観光地です。
高尾山の歴史
まずは、高尾山の歴史について軽く見ていきましょう。
古くからあらゆる殺生を厳しく戒める山として信仰を集め、保護されてきた高尾山。
戦国時代には関東の覇者・小田原北条氏の庇護を受け、江戸時代に入ると徳川家の庇護を受けました。
江戸時代には、霊験あらたかな山として広く知られ、修験道の修業の場としても栄えます。
明治時代以降も、国や政府の庇護を受け、美しい自然を保ってきた高尾山。
今では特に紅葉が美しい観光地として幅広い世代に人気を集め、世界でも最も登山客数が多い山として知られています。
天気が良い日には富士山も望むことができる高尾山は、フランスのミシュランガイドにも登録されており、「日本一の山」である富士山と同じ星3つの評価で掲載されているそうです。
また、高尾山は天狗信仰がある山としても有名です。
次項でご紹介する飯縄大権現の随身である天狗は、除災開運、災厄消除、招福万来といった衆生救済の力を持ち、神通力を操る存在であるとされています。
修験道の修行者である山伏の大先達であることから、山伏と同一視されることもあるようです。
薬王院について
高尾山観光のメインである薬王院のはじまりは、聖武天皇の時代、奈良の大仏の造営事業にも携わった行基和尚が開山したと伝わっています。
創設当初は薬師如来を御本尊としていたために「薬王院」の名が付いており、現在は「成田山新勝寺」、「川崎大師平間寺」とともに真言宗智山派の三大本山として広く信仰を集めている寺院です。
南北朝時代には京都の高僧が、現在の御本尊である「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」を奉祀・中興します。
この「飯縄大権現」は戦国大名たちにも広く信仰され、上杉謙信や武田信玄の兜表にも奉られたほか、小田原北条家や徳川家の庇護を受けました。
また、修験道が盛んであった薬王院では、6月と10月の年2回、一般向けの修行体験も行われています。
高尾山の豊かな自然に囲まれて、丸2日かけて山伏の修業を体験できる貴重な機会なので、興味のある方はぜひ申し込んでみてください。
高尾山の見どころ
さいごに、高尾山の見どころをご紹介していきたいと思います。
浄心門
堂々とした佇まいの、薬王院への入り口。
浄心門の特徴は、お寺の門であるにも関わらず、神社の鳥居のかたちをしていることです。
長い歴史を持つ薬王院は、仏教と神道が融合していた時代もありました。
浄心門には、神仏習合の名残を垣間見ることができます。
薬王院
飯縄大権現をお祀りし、天狗の伝説が有名な薬王院。
豊かな自然の中に、朱塗り地に極彩色の配色が施された建物が並ぶ境内には、いたるところに天狗の像が並んでいます。
高尾山山頂展望台
山頂の展望台は見晴らしが良く、天気が良ければ富士山も見えます。
お茶屋さんや売店などが並ぶほか、6~10月ごろには「高尾山ビアマウント」が開催され、食事やお酒を味わいながら景色を楽しむことができます。
高尾ビジターセンター
高尾山に棲む植物や動物、歴史、登山道などに関する情報を得ることができる施設。
Tシャツや手ぬぐいなどのお土産を購入することもできます。
TAKAO 599 MUSEUM
高尾山の標高599メートルにちなんで名付けられたミュージアム。
高尾山の動物や植物など、自然について学ぶことができます。
標本やプロジェクションマッピングなど、さまざまな仕掛けや展示物で楽しく高尾山について知れる施設です。
まとめ
高尾山や、そのメイン観光スポットである薬王院の歴史や見どころについて解説しました。
豊かな自然と長い歴史を体感できる高尾山。
古くから人々の信仰を集め、今では世界一の登山客数を誇ります。
紅葉のシーズンは特に混雑するので、平日の登山がおすすめ。
四季折々にまた違った表情を見せてくれるので、何度も訪れて散策したいですね。