江戸の下町情緒が残る深川エリア。
江戸時代に開墾されて以来、門前町として栄えた場所で、富岡八幡宮の「富岡八幡宮例大祭(深川まつり)」は江戸三大祭のひとつに数えられ、長きにわたって人々から愛されてきました。
また、深川は俳人・松尾芭蕉ゆかりの場所としても知られています。
歴史や文化に関連した観光スポットが多くある深川は、東京にいながら都会の喧騒から離れた落ち着いた雰囲気を楽しむことができるエリアです。
本記事では、深川の定番観光スポットについてご紹介していきたいと思います。
深川の歴史
まずは、深川の歴史について軽く見ていきましょう。
深川は江戸時代にはいるまで、葦が生い茂る海辺の荒れ地であったそうです。
江戸時代の開墾政策の一環で深川八郎右衛門という人物が開拓したことから、「深川」という地名が付いたと言われています。
その後、小名木川や源森川の整備が進んだこと、後ほどご紹介する富岡八幡宮などの神社仏閣が次々と移転してきたことを背景に、門前町として発展。
多くの庶民が移り住み、江戸のなかでも華やかで活気のあるまちになりました。
深川の定番観光スポット
ここからは、深川の定番観光スポットについて見てきたいと思います。
富岡八幡宮
まずは「深川の八幡さま」と親しまれてきた富岡八幡宮から。
真っ赤な柱と緑青の屋根のコントラストが美しい本殿が印象的で、江戸最大の八幡宮として、多くの参拝客が訪れます。
境内にはこの地に居を構えたこともある、初の実測の日本地図を作製した伊能忠敬の銅像があり、多くの観光客も訪れる人気の観光スポットです。
また、富岡八幡宮と言えば「深川まつり」とも呼ばれている「富岡八幡宮例大祭」。
毎年8月に行われ、3年に一度本祭りが行われます。
真夏に行われるお祭りとあってその熱気はすさまじく、沿道の人々が神輿を担ぐ人々に水をかけてまわるさまも圧巻。
夏に深川へ訪れる際はぜひ覗いてみてください。
深川不動尊
江戸時代から始まった成田新勝寺の出開帳が起こりとなっている深川不動尊。
現在の場所に不動堂が完成したのは明治時代に入ってからです。
門前町として発展した下町・深川の中心的存在で、納め不動(12月28日)や毎月28日の縁日の日にはたくさんの露店が並び、多くの参拝客が訪れます。
清澄庭園
美しく整備された、都内でも屈指の回遊式築山泉水庭園。
江戸時代のこの場所は下総国関宿藩主久世氏の下屋敷でした。
明治時代に入ると久世氏は屋敷を離れ、三菱財閥を運営する岩崎家の手へと渡ります。
全国各地から集められた奇石が取り揃えられ、大きな池を中心に趣ある美しい景観が広がっています。
江東区深川江戸資料館
江戸時代を中心に、深川の歴史や文化を紹介・展示している資料館。
館内には当時の深川のまち並みや庶民の暮らしが再現されています。
季節や時間帯によって館内の演出が変わるので、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような没入感を味わえます。
古き良き下町の風情を存分に楽しむことができる観光スポットです。
永代橋
四十七士でおなじみの赤穂浪士が討ち入りの帰りに渡った橋としても知られている永代橋。
現在の場所に橋が架かったのは明治時代のことで、日本で初めての道路鉄橋でもありました。
今私たちが渡っている橋は戦前に架けられたもの。
シンプルなアーチ型の橋でありながらその建築史的価値は相当なもので、都選定歴史的建造物に指定されています。
江東区芭蕉記念館
紀行文「奥の細道」で知られる、江戸時代を代表する俳人・松尾芭蕉。
かつて松尾芭蕉が生活し、数々の俳句を詠んだ深川には、松尾芭蕉やその弟子たちゆかりの場所がいくつか残されています。
場所が住んでいたという「芭蕉庵」は残念ながら無くなってしまったそうですが、記念館では芭蕉や芭蕉が切り開いた俳諧に関するさまざまな展示が行われています。
芭蕉庵史跡展望庭園
隅田川と小名木川が合流する地点を望む展望庭園。
松尾芭蕉の銅像や芭蕉庵のレリーフがあるので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
高橋のらくろード
日本のマンガの先駆けとなった「のらくろ」の作者である田河水泡ゆかりの商店街。
高橋商店街のいたるところに「のらくろ」のイラストがあり、長く「のらくろロード」の愛称で親しまれてきました。
漫画家として成功したのちも「サザエさん」で知られる長谷川町子など、後進の育成に尽力した田河水泡。
日本のサブカルチャーのはじまりに触れてみませんか。
まとめ
深川の定番観光スポットについてご紹介しました。
江戸の下町情緒が残る、古き良き雰囲気を楽しむことができる深川のまち。
東京にいながら安らぎを感じられるエリアです。
神社仏閣や資料館、日本庭園といった、歴史や文化に関連した、落ち着いて鑑賞できる観光スポットが多いのも深川の魅力。
都会の喧騒をひと時忘れ、ぜひゆっくりと見てまわってみてください。