多くの観光客でにぎわう浅草。
その中心にあるのが、真っ赤な雷門がシンボルの浅草寺です。
今や世界中から多くの観光客が訪れます。
まさに東京を代表する観光スポットであり、お寺であると言えるのではないでしょうか。
本記事では、浅草寺の歴史や見どころについてご紹介していきたいと思います。
浅草寺のはじまり
浅草寺のはじまりは、約1400年前、推古天皇の時代へと遡ります。
宮戸川(今の隅田川)のほとりに住む兄弟が漁の最中に網にかかった仏像を持ち帰ったところ、聖観世音菩薩像であることが判明。
まちの人々が御堂を作ってお祀りしていたのですが、やがてまちの長である人物が私邸を寺に改め、生涯礼拝供養に勤めたと言われています。
また、浅草寺に伝わる縁起には金色の鱗を持った龍も登場することから、現在でも浅草寺寺舞として奉演されている「金龍の舞」が伝わっています。
武士と浅草寺
「浅草」という地名が初めて文献に登場したのは、鎌倉幕府が編纂した「吾妻鏡」であると言われています。
鎌倉で行われた法要に浅草寺から僧侶が呼ばれていたり、浅草寺の食堂で牛が暴れてけが人が出ていたりといった記録が残されており、関東を中心に治めていた鎌倉幕府の公式記録に何度も登場するほど、関東の中でも有数の規模を持つお寺であったことがうかがえます。
鎌倉幕府を開いた源頼朝も、浅草寺で戦勝祈願をし、土地を寄進していたようです。
鎌倉時代から室町時代、安土桃山時代と時代が下るにつれて、浅草寺はますます全国にその名が知られるようになりました。
室町幕府を開いた足利尊氏をはじめとする足利氏、小田原城を中心に関東で巨大な勢力を築いた戦国大名・北条氏、江戸川幕府を開いた徳川家康と、名だたる武将たちが浅草寺と深い関係を築いています。
浅草寺と江戸の人々
江戸時代に入り世の中が平和になると、庶民の時代がやってきます。
浅草寺の観音堂の裏手には見世物小屋が建ち並び、庶民文化の拠点となりました。
華やかなまちの様子はしばしば浮世絵の題材としても取り上げられ、その賑わいを現在に伝えています。
見世物小屋や水茶屋、露店などさまざまな娯楽が集まり、多くの人々でにぎわう活気あふれる浅草のまちには、やがて庶民だけでなく、大名やその家族、将軍、皇族まで、さまざまな身分の人々が浅草寺へ参詣に訪れ、まちの雰囲気を楽しんでいたそうです。
明治に入ってから境内は大きく縮小され、周辺の歓楽街も移動や整備が行われました。
大正時代には日本初のエレベーターを備えた凌雲閣(十二階)が完成し、再びにぎわいを取り戻します。
その後も地震や空襲により度々大きな被害を受けますが、その度に人々の支援によって建て直しが行われ、今や世界的な観光スポットへと進化を遂げています。
浅草寺の見どころ
さいごに、浅草寺の見どころについてご紹介していきたいと思います。
雷門
浅草寺の、そして浅草のまち全体のシンボルである雷門。
左右に風神・雷神の像が立っており、正式には「風神雷神門」と呼ばれています。
江戸時代の火災で焼失して以降長いこと再建されてきませんでしたが、パナソニックの創業者として知られている松下幸之助の寄進によって再びよみがえりました。
仲見世通り
雷門をくぐった先には、さまざまなお店が軒を連ねる仲見世通りが広がっています。
古き良き仲見世の雰囲気を残した通りで、お土産物などを取り扱っているお店が90ほど並んでいます。
人形焼きやせんべい、揚げまんじゅうといった食べ歩きにぴったりなおやつを取り扱っているお店もあるので、それらを食べつついろいろなお店を見てまわるのも良いですね。
宝蔵門
仲見世通りの先にあるのが宝蔵門。
戦後に鉄筋コンクリートで再建された際、経典や宝物などを収蔵していたことからその名が付いたと言われています。
左に啊形像、右に吽形像あることから、「仁王門」とも呼ばれていたそうです。
本堂
朱色に塗られ、堂々たる風格の本堂。
御本尊である聖観世音菩薩像が安置されていることから、観音堂とも呼ばれています。
戦前の本堂は江戸時代に建てられたもので、国宝にも指定されていましたが、空襲で焼失。
現在の御堂は宝蔵門と同じく鉄筋コンクリート製です。
五重塔・伝法院
五重塔や本坊である伝法院の前に広がる日本庭園も境内の見どころのひとつ。
通常は見ることができませんが、一般公開される際にはぜひ足を運んでみてください。
五重塔にはスリランカのイスルムニヤ寺院から奉戴した仏舎利(お釈迦様の遺骨)が治められているそうです。
まとめ
浅草寺の歴史や見どころについて解説しました。
東京の定番観光スポットであり、今や日本を代表する観光スポットとして世界的にも知られている浅草寺。
長い歴史を持ち、江戸の庶民文化にも大きな影響を与えました。
参拝だけでなく、仲見世通りでのショッピングや食べ歩きも楽しむことができ、修学旅行や団体旅行、外国人観光客など、多くの人々が訪れる、活気ある観光スポットです。
最近は周辺におしゃれな飲食店も次々と出店しており、一度訪れたことがあると言う方も新たな楽しみ方ができるようになっています。
ぜひ浅草寺に足を運んでみてください。